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1.審査結果
NPO法人人間中心設計推進機構(HCD-Net)が、世界に先駆け昨年より実施している「人間中心設計専門家」資格認定の第2期審査が完了しました。今年度は、60名の方々が人間中心設計専門家として認定されました。内訳はHCD-Net正会員6名、一般54名です。昨年は119名の方々が専門家として認定されましたが、今年は昨年より受験者数が減っているため、認定者数も減っています。
2.審査経緯
今年度は、以下の日程で資格審査を行いました。
詳細告知 2010年12月1日
募集要項公開 2010年12月20日
申込開始 2010年12月20日
申込締切 2011年1月11日
申請書類提出締切 2011年2月1日
合格発表 2011年3月31日
また、今年度は、審査員講習会を2回、受験者向け説明会を1回開催しました。審査員講習会は、審査のばらつきをより少なくするためと、審査要領を各審査員により正確に理解しいただくことで、審査精度と効率の向上を狙いにしました。また、受験者向け講習会では、制度の趣旨や認定専門家の役割などを理解していただきました。いずれの会も,数多くの方の参加がありました。
3.人間中心設計専門家のコンピタンスの見直し
人間中心設計専門家に求められる業務も次第に高度化していることや第1期の審査結果を踏まえ、今年度は人間中心設計専門家に必要とされるコンピタンスの見直しを行いました。新たに「HCD適用・開発能力」として、「組織への導入推進能力」2項目および「研究開発能力」2項目を追加し、必須コンピタンスとして記述できるようにしました。さらに、知識項目を整理し、「品質管理に関する知識」「ソフトウエア工学に関する知識」「テクニカルコミュニケーションに関する知識」「マーケティングに関する知識」を項目として追加しました(改訂されたコンピタンス項目の詳細はサイト内のコンピタンスマップを参照ください)。
4.審査過程における課題
昨年の課題を踏まえ、今年度も1人の受験者に対して、複数の審査員が厳正な審査を実施しました。最終的には、資格認定審査委員会において、各審査委員の審査基準の判断の揺れに個別に対応いたしました。
審査過程では、大学における学部時代の実績をどのように評価するか、プロジェクトにおける申請者の役割分担や求められるコンピタンスに対する的確な実践に関する記述方法、マネージメントに関する経験不足などが話題になりましたが、より適正な判断に努めました。
今後も、受験者説明会、審査員講習会等を通じて、申請側、審査側双方の記述、審査精度向上に努めてまいります。
5.第3期以降に向けて
本資格は、HCD-Netが人間中心設計実践において定めた一定の基準を充たしたことを認めるものであり、資格を認定された方は、今まで以上に人間中心設計の実践に励まれるとともに、啓蒙普及にご尽力いただくようお願いいたします。
また、今回基準に満たなかった方々も、なお一層の実践を通したスキルの獲得、知識の習得により専門家に認定される方々ばかりと認識しておりますので、次回以降の再申請を心よりお待ちしております。
昨年資格を取得された認定専門家の方々は、今年で2年目になります。この制度は、3年ごとに更新する仕組みになっています。人間中心設計分野での実践、知識の習得などを通じて、更新時に必要なポイントを獲得し、継続して資格を維持できるようお願い申しあげます。
来年は第3期を迎えますが、認定専門家制度の一環として「人間中心設計準専門家(仮称)」資格制度、「人間中心設計検定(仮称)」制度の検討も開始されました。制度の内容が、具体的になりましたら、関係される皆さまにもお知らせいたします。
最後になりましたが、審査にあたり昨年度の認定者の方々をはじめ、関係される方にご協力をいただきました。改めて御礼申しあげます。
HCD-Netでは、一人でも多くの方々が認定人間中心設計専門家になられ、この分野で活躍されることを願っております。今後とも、時代に合わせより適切な資格認定制度として運営してまいります。認定制度に関するなお一層のご理解、ご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。
2011年4月
NPO法人人間中心設計推進機構
規格化/認定事業委員会