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審査書類「コンピタンス記述書」記述例
注)ここでは、①「目的」、②「体制」、③「アウトプット」についての記述例です。「対象」「実施内容」「工夫」については割愛しています。
注)「コンピタンス記述書」の中には、コンピタンス項目毎に定義および求められる記入内容が記述されています。その内容を確認の上、 それぞれのプロジェクトで申請者ご自身がどのようなコンピタンスを発揮したかを簡潔に記入してください
まずこちらのFAQをしっかり読んでください
https://www.hcdnet.org/certified/faq/faq-apply-papers.html
①目的を的確に記述する
■A1.調査設計能力 における(1)「目的」の例
[悪い記述例]
・新しいデジタル家電機器の複数の実現案の比較評価を行った。評価はインタビュー調査によって実施した。評価にあたって、日ごろ使っている機器の影響が予想できたので、日ごろ使っている機器に応じた属性群を定義し、調査を実施した。
[所見]
適切な課題把握ができているか判断できない
調査課題/目的の記述がない
調査結果を何のために使うかの記述がない
[良い記述例]
・新規ビジネス領域の開拓が会社としての課題である。
・新規ビジネス開拓を狙った、新しいデジタル家電機器として複数のコンセプトが提案されている。その中から、今後のユーザーの生活の中に浸透する可能性のあるコンセプトがあるか調べるのが目的である。
・調査結果を元に、新規ビジネスを立ち上げるかどうかを判断する。また、提案されている複数コンセプトのうち、どの案をベースに進めていくかも判断する。
[所見]
適切な課題把握ができているか判断可能
調査課題/目的の記述あり
調査結果を何のために使うのか記述あり
■A12.ユーザーによる評価実施能力 における(1) 「目的」の例
[悪い記述例]
・開発者が作成したプロトタイプの評価を実施した。
・代表タスクに対して、間違いなく操作した場合だけでなく、よくあるシステムエラーが発生した場合についての2つのケースを対象とした。
[所見]
適切な課題把握ができているか判断できない
調査目的の記述がない
調査結果を何のために使うかの記述がない
[良い記述例]
・新規開発機能であり、どのような仕様がユーザーに受け容れられるかの過去知見がなかった。そのためユーザー評価を通じて、これらの知見を獲得することを目的とした。
・基本的な方針を決めるため、代表タスクに対して全く発想の異なる3つの案をペーパープロトで作成し、ユーザーに伝わる度合いの違いを評価した。
・評価結果から選んだ方針を、基本方針として採用する。
[所見]
適切な課題把握ができているか判断可能
調査課題/目的の記述あり
調査結果を何のために使うのか記述あり
②どのような体制で実施したのか明確に記述する
■A12.ユーザーによる評価実施能力の(2)「体制」の例
[悪い記述例]
・評価実施は申請者が一人で担当した。
・実施は社外の調査会社にテストを依頼しておこなったため、依頼先とテスト計画策定に向け調整をおこなった。
[所見]
立場の記述が一般的すぎて、信頼性が下がる
リードする立場か、従っている立場か不明確
どう主体性を発揮したかの記述がない
専門性を発揮した工夫の記述がない
[良い記述例]
・評価実施は申請者が一人で担当した。
・ユーザーリクルーティングは社外の調査会社にテストを依頼しておこなったため、依頼先とテスト計画策定に向け調整をおこなった。
・申請者が社内で実施した前モデルのテスト計画や結果を依頼先に示すことで、依頼先との調整を効率的に進めることができた。
[所見]
立場の記述からコンピタンスの発揮具合が判断できる
リードする立場か、従っている立場か明確
どう主体性を発揮したかの記述あり
専門性を発揮した工夫の記述あり
■A13. 専門知識に基づく評価実施能力 の(2)「体制」の例
[悪い記述例]
・エキスパートレビューを担当した3名の評価者の一人である。
・社内で共通的に用いられている評価尺度を利用し、他の評価者との効率的な結果共有を実現することができた。
[所見]
立場の記述が一般的すぎて、信頼性が下がる
リードする立場か、従っている立場か不明確
どう主体性を発揮したかの記述がない
専門性を発揮した工夫の記述がない
[良い記述例]
・エキスパートレビューを担当した3名の中のリーダーとして評価を実施した。
・3名で協働するため、効率的な結果共有が必要だった。そのため、社内で共通的に用いられ評価者に馴染みある評価尺度を今回用に一部手直しし、他の評価者に示した。
[所見]
立場の記述記述からコンピタンスの発揮具合が判断できる
リードする立場か、従っている立場か明確
どう主体性を発揮したかの記述あり
専門性を発揮した工夫の記述あり
③アウトプットを明確に記述する
■A1.調査設計能力 における(3)「工夫とアウトプット」の例
[悪い記述例]
・「調査実施計画書」の内容:目的、対象者、調査内容、スケジュールなど15頁
・マネジメント向けプレゼンで概要を説明し、合意を得た後、関係者と詳細共有のため、ワード文書を作成した。
[所見]
アウトプットの具体的な記述がないと、信頼性が下がる
アウトプットの列挙しかない(具体的ではあるが)
コンピタンスの定義に書いてあるアウトプットを引用しただけ
アウトプットの質や専門性の発揮による効果の記述がない
[良い記述例]
・「調査実施計画書」の内容:目的、対象者、調査内容、スケジュールなど15頁
・前例のない調査だったためマネジメントの合意が必須だった。必要性や効果などを追加したマネジメント向けサマリを申請者が作成し、合意獲得できた。
・今回作成した調査実施計画書の構成がわかりやすいと評判になり、他のプロジェクトのテンプレートとして流用されるようになった。
[所見]
アウトプットの質や専門性の発揮による効果の記述があり、コンピタンス発揮具合がわかる