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2014年5月25日(日)専門家認定委員会は、ドイツ、英国から来日の研究者らと専門家認定試験制度およびコンピタンスなどに関する意見交換会の機会を得た。当日、フォーラム直後ではあったが、Thomas Geis(ドイツ)、Nigel Bevan(イギリス)、Jonathan Vaughan Earthy(イギリス)という3人の専門家に対し、HCD-Netからは黒須理事長、早川事務局長、安藤理事、和井田理事、高橋理事の5名の認定委員が参加した。
各人の自己紹介および各国に於ける簡単なHCD活動の役割説明の後、HCD-Netが2009年より開始した認定専門家制度について事業の目的、試験の仕組み、評価の仕組み等の解説に加えて、認定試験の根底となるコンピタンスリストを公開提示した。これに対し、Thomas Geisがドイツで立ち上げようとしている専門家認定制度、Certified Professional for Usability and User Experience (CPUX,http://www.uxqb.org/en)の概要を説明した。
ドイツの認定制度は基礎編(CPUX-F)が昨年(2013)立ち上がったばかりであるが、International Usability and UX Qualification Board
(UXQB)がカリキュラムやグローサリー等を整備したが、UXQBはトレーニングや認証試験は行わず、代わりにiSQl (International Software Quality Institute,www.isql.org)という認証試験専門の独立団体が実施する。国際標準化に関しては、UXQBが主体となりユーザビリティおよびUXのSIGを形成しようと世界中に呼びかけるところであるが、現在はGerman UPAとSwiss UXPAがメンバーに加入したところである。
日本の専門家認定制度とドイツでの認定制度の説明と並行して多くの質問と意見交換がなされたが、認証に関する基本的な意識とコンピタンスの把握については左程大きなズレはないことが判明した。多少国内環境が異なるが、実践経験に基づくコンピタンスを認証する制度のアプローチは同じである。日本の制度およびコンピタンスの体系作りに関しては日本の方がより詳細な検討がなされている印象であり、これらの情報を双方で共有し合う事で今後も更に他の国々に向けても独英日の協力推進を広げようと盛り上がった。