HCDコラム

ショートコラム Vol.113 

  9月は特に雨ばかり続いていた印象があり、気になって9月の東京の天気を調べてみると30日中11日が雨とのこと。ということで雨にまつわる優れたサービスをご紹介します。少し前の事になりますが雨の時期に新宿西口からバスを利用したところ車内で傘を販売しているのを発見。

  運転席の横に傘が数本立掛けられていて確か1本500円。電車を利用しているときに突然の豪雨や夕立になっても、駅構内には売店やコンビニがあり、傘を購入して雨を凌ぐことができますが、バスを利用しているときに雨が降ってきたらそうはいきません。バスの停留所には売店やコンビニがありませんから。

  バス本来の目的は、乗客を目的地まで安全に、快適に運ぶことですが、利用者の体験からアプローチするとバス停からバス停までの移動だけでなく、バスに乗る前、降りた後の体験というコンテキストが考えられます。そのコンテキストのひとつに、バスを降りたら雨が降っていたということも。

  より良い顧客体験は、製品やサービスからのアプローチだけでなく、利用者の体験から何が必要かを考えることが大切なのはもちろんのこと、どんな人がどんな状況で、何の目的でサービスを利用するのか、いろんなコンテキストを想像できること。その重要性を改めて考えさせられる素晴らしい事例です。

 


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HCD-Net(人間中心設計推進機構)は、日本で唯一のHCDに特化した団体です。HCDに関する様々な知識や方法を適切に提供し、多くの人々が便利に快適に暮らせる社会づくりに貢献することを目指します。

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