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小学生の娘が読んでいた「こころのふしぎ なぜ?どうして?」という本を、横から覗き込んで衝撃を受けた。こころやいのち、やさしさなど、大人であってもなかなかうまく説明ができない難しいテーマについて、小学生にも分かるように噛み砕いた内容である。「やさしさのふしぎ」という章で「こまっている人をたすけたい。どうすればいい?」という投げかけのページがあった。
みなさんは子供から質問された場合、なんと答えるであろうか?書籍には次のように書かれていた。「じつは、人をたすけるには、たすけるためのべんきょうがひつようなのです。」 ビシッと雷に打たれたかのような衝撃である。
お母さんが晩御飯の支度で大忙し。そんなとき、ママ何か手伝うよーっと走ってキッチンに入ろうものなら、危ないっ!と叱られてしまう。包丁があるし、ぐつぐつ煮えた鍋があったり、熱々のフライパンがあったり・・・
書籍では、「どのようにたすけるのが、その人にとっていちばんよいのか」ということを知っておかなければならないとも述べられている。まさに人間中心設計に通じる考え方である。企業で人間中心設計の取り組みをされている方から、抵抗勢力が強くて導入が難しいという声を良く聞く。長い目で見れば、子供のころからこういった考え方を学べる機会がたくさんあれば、彼らが大人になったころには自然とユーザーのことを考えたモノづくりができるようになっているのではないか。現在、HCD-Net関西支部長を務めているが、近い将来、子供向けのイベントを開催してみようと思う。
引用:村山 哲哉 監修(2013) こころのふしぎ なぜ?どうして? 高橋書店