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前回、コンサルタントとクリエイティブ方の言葉の違いについて書きましたが、UXデザイナーが日常よく使う言葉で「サービス」という言葉があります。Webサービスやサービス・デザインなどについて、ToBeモデルの検討でカスタマージャーニーをベースにコンサルタントやエンジニアとディスカッションする際に、サービスと機能要件、ビジネスコンセプトなどの言葉の定義でちょっとした齟齬が起こることがあります。
例えば、こんなやりとりが起きたりします。
コンサルタントさん(以下コンさん):「えーと、UXデザイナーさん(以下Dさん)の言う、サービスコンセプトって、戦略フェーズのビジネス要件のどこからどこまでというか、そもそも何を期待されてます?」
Dさん:「えーと、その場合のコンセプトは、要件定義の一部として考えてもらっていいです」
コンさん:「ではクライアントには分かりづらいので、ビジネス実現の機能要件(コンセプト)と書き換えてもらっていいですか」
Dさん:「はい、了解です。で、あるべき姿の提供価値として、オフラインからオンラインの導線の変化で、Webサービスが果たすビジネス効果を考えると、以下の画面遷移が考えられます」
エンジニアさん(以下Eさん):「ちょっといいですか?Dさんの言う、導線に書いてあるWebサービスって、PCとスマホのどちらの機能要件ですか?ジャーニーを見てると、Webじゃない部分も、スマホを使ったWebサービスなんですよね?」
Dさん、コンさん:(え?)「えーと、そうですね。持ち歩きでその間にクーポンをプッシュするというのは、確かにシステムからデータをWebに投げてるので、テクノロジー側の要件として記入しておきます」
コンさん:「今のEさんの説明を補足するので、そこにWebサービスによるクーポン送付と追記してもらえますか」
Dさん:「了解です(ジャーニーを書き直すだけで時間がなくなる〜(泣))」
コンサルティングサービスの業界は、特に言葉の意味や使い方が厳密であり、用語の発言や使用を慎重にしないと、齟齬が生じる場合があります。ビジネス検討においてますます需要が高まるUXの考え方ですが、見える化の一つであるカスタマージャーニーというサービス体系一覧を作る立場のUXデザイナーにとって、ビジネス検討での言葉使いをどう統べるかは、結果UXDの提供価値そのものを高める効果もあると感じています。