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3か月ほど前に、北欧へ旅行に行ってきました。ラトビア、エストニア、フィンランドと、ちょうど安倍首相が訪問する直前の頃で、勝手に先取りした感をもっていましたが、その中でエストニアの体験を少しご紹介します。
この業界の方たちには、エストニアはデジタル化が進んでいることで有名かもしれませんが、中世の街並みがそのまま残っているとても可愛らしい場所でした。お正月明けでもまだクリスマスマーケットもやっていて、鍋でリンゴと一緒に煮込んだホットワインやソーセージなどの食べ物、小物や帽子などの露店が並んでいて、まるでおとぎ話の中に入ったような雰囲気が楽しめました(例えるとディズニーランドのリアル版のようです)。
街だけ観光していると、ほとんどITのことは感じられなかったのですが、e-Estoniaのショールームで、デジタルの先進感に触れることができました。Webサイトから事前に予約しておくと、誰でも無料で訪問することができます。予約時には、訪問者の職業や、目的、興味などを詳しく聞かれ、サイト上の入力フォームに情報が足りていないと、丁寧にメールで問い合わせがきて、”顧客ニーズを調査する姿勢”に驚きました。
https://e-estonia.com/showroom/
ショールームは木目調で遊び心のあるインテリアになっていて、エストニア発のベンチャーであるSkypeをはじめとする、ベンチャー企業の紹介パネルが多く展示されていました。そして、職員の方に1時間みっちりプレゼンテーションして頂けました(その時の聴講者は、私と同行の主人と、アメリカ人のたった3人なのに!)。プレゼンテーションはセンスよく、“選挙はどこからでも電子投票可能”の説明には、流氷の上でスマホを触っているお兄さんの写真が使われ、”デジタルによる紙の削減”には、エッフェル塔をメタファーにして毎月300m削減されていることが説明され、エピソードとして頭に残るものになっていました。全ての国民が電子IDを持ち、99%の公共サービスがオンラインで実現されているというまさにデジタル社会ですが、根底にある「internet is a social right(インターネットは社会の権利である)」という考え方が素晴らしいと思いました。
訪問後しばらくしてから、プレゼンテーションデータをメールで送付してくれたり、3か月後には「久しぶりだね」というトピック紹介メールがきたりと、国のショールームというよりは、企業の宣伝部門のような丁寧な対応です。国の大きさの違いはあるとはいえ、アピール精神、おもてなし感、センスの良さなど、日本の公共機関とは全然違うなぁ、、、という印象を強くもちました。