更新日:
師走を迎え、今年も残りあとわずか。本当に一年があっという間に過ぎてゆきます。2018年の活動を振り返ってみると、海外にてさまざまなユーザー調査/ユーザビリティ評価を実施した一年でした。
ますますグローバル化する世界社会において、製品を世界中で販売しているという企業も多いかと思います。製品やサービスを海外展開する場合、単に言語を翻訳するだけで、製品の魅力が正しく伝わるものでしょうか。もしかしたら日本人と外国人では魅力に感じる点や適切な表現や伝え方に違いがあるかもしれません。そこで現地の人に対するインタビューやユーザビリティ評価を実施し文化や価値観の違いを調整しながら製品やサービスの訴求効果を高めていかねばなりません。
私は、製品力向上のポイントとなるのは机上論で完結しないことだと思います。よくモノづくりの現場では、問題が発生したときに机上で判断するのではなく、「現場」で、不具合の起きた「現物」を見て、どのような状態であるのかという「現実」を確認して解決を図ることが重要だと言われます。いわゆる三現主義ですね。原因の追求と対策をしっかりと行い、その経過をまとめていくという取組みによって、品質の向上・改善が図られていくという考え方です。新しくデザインしたものを評価する目的もまさにこれと同じです。自社が提供する製品やサービスがどうあるべきなのか、ユーザーが置かれている状況を確認・理解した上での意思決定が不可欠です。今日では情報化が進み手のひらで情報を得られる時代です。しかし、それらのデータや情報だけでは、想定しているニーズを満たすものになっているか、便利に使ってもらえそうか…、などといった判断は決してできません。世界は狭くなったと言われる今だからこそ、現地に行き、現物を見て、現実を理解することが大事なのではないでしょうか。是非とも皆さんのビジネスの主戦場となる「現場」をしっかり理解するためにも、現場に足を運んでみてください。何かヒントが見つかるかも知れませんよ。
さいごに、今年足繁く通った海外でのユーザー調査がどうだったかというと、現地ユーザーならでは話が聞けたり、使われ方が分かったりと実りの多い結果となりました。私も現場で見つけたヒントを新たな発想に生かしたいと思います。