HCDコラム

こんにちは。株式会社ソフトディバイスで、インフォメーションアーキテクトとして活動しています、野々山です。
本日のコラムのテーマは、ワークショップです。人間中心設計のプロセスに関わる方々も、様々な立場の方を交えたワークショップで検討される事が多いかと思います。私も、クライアント企業の方々、イベントや教育現場でのデザインワークショップを企画、設計、運営してきましたし、プレイヤーとしても参加することもあります。一方で「ワークショップやったけど上手くいかなかった」という事もよく聞いたり相談を受けたりします。
複数人が参加し、短期集中で行われることが多いワークショップですから、違う立場の人が多くいればいるほど、意見を分かってもらう事だったり、まとめる事だけで精一杯。その割に、準備や設計に時間をあまりかけないでワークショップをやるだけでは、上手く行かないのは仕方ないと思います。プレイヤーが、クリティカルで、かつ、前向きに議論を展開する理想的な状態に持っていくのには、ワークショップの入念な計画や、ファシリテーターの経験、準備がやはり必要と感じています。

私はワークショップを運営する上で「チームビルディング」を意識してます。
「チームビルディング」と言っても様々な要素があると思いますが、私は以下の2つのことを特に意識します。 「ロールの明確化」 「ゴールイメージの共有」  
「ロールの明確化」については、ワークショップという「異種混交の議論の場」だからこそ、プレイヤー個人個人が「何をすべきか」に気づいていけるかどうか。ファシリテーターとしては、プレイヤーの個性やバックグラウンドが活きている発言を、他のプレイヤーがポジティブに受け取れる様に翻訳したり、図解したりする事で促すようにしています。

「ロールの明確化」が進むと、「このメンバーなら何ができるのか?」が見えてくるので、ワークショップのゴールや、ワークショップ後のプロジェクトでのゴールイメージを描きやすくなり「ゴールイメージの共有」もワークを繰り返す中で可能になってきます。

ワークショップも人工物なので、参加者中心に考えてデザインすることで機能するのでは?と思っています。ワークショップのアウトプットのことが気になってしまいがちですが、参加者のパフォーマンスをどう活かすかを考えて設計すると、良いワークショップにつながるのではないでしょうか。


HCD-Netで人間中心設計を学ぶ

HCD-Net(人間中心設計推進機構)は、日本で唯一のHCDに特化した団体です。HCDに関する様々な知識や方法を適切に提供し、多くの人々が便利に快適に暮らせる社会づくりに貢献することを目指します。

HCDに関する教育活動として、講演会、セミナー、ワークショップの開催、 HCDやユーザビリティの学習に適した教科書・参考書の刊行などを行っています。