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平成最後の年、2010年代の最後の年を迎えました。皆さまそれぞれに希望に溢れる未来を胸に抱いておられるのではないかと存じます。当機構への期待も、例年以上の高まりと勢いを肌で感じる年始からの一ヶ月になっています。特に、10年目を迎える専門家資格認定の活動において、本年には200名を遙かに上まわる申込みを頂戴したことは、その現れではないでしょうか。こういった機運を支えてくださる会員の皆さんからの当機構への精力的なコミットに、あらためて深く御礼申し上げます。
この期待の高まりへの背景は、各種団体における製品やサービスの改良や刷新、新規開発といった機会に際し、私たちHCD-Netの持つ諸テーマ群や専門知識、スキル、手法などが必須のものとなった証左と言えるでしょう。加えて、本分野への取組みが組織における仕事やプロジェクト上の問題解決やアイデア創出のみならず、各種のコミュニティ活動や身近な日常での課題を解決するためにも活かすことができるからに違いありません。特に、若い世代の皆さんが、このことを直感的に感受して体得し、デジタル技術を存分に活かしながら取り組む姿勢こそが、この機運への後推しになっていると確信しています。
こういった対象領域や関心を寄せる方々の拡がりを前提にして考えると、この潮流はまだまだこれからも一層強く、そして深くなっていくように予感しています。そのことから、当機構の活動にコミットすること自体が、大きな未来への可能性を拓く機会につながる期待を抱かれるような、そんな団体としての存在になっていくべきでしょう。昨年(2018年)には、HCD-Netでの活動をきっかけとして、よりターゲット分野を定めて本分野の啓発・普及を目指す新たな団体(一般社団法人UX設計技術推進協会など)が誕生する、といった良い知らせもありました。また、フォーラムやセミナーといった機会をきっかけに、新たな提携や連携を申し出てくださる団体や企業の数も増加の一途を辿っています。当機構へのコミットの動機付けとして、従来からの知識やスキルの習得への機会だけでなく、新たな団体や企業を起こすことや新たな人材や同志との出逢いを求めること、本領域のリーダーとして市場で活躍することなど、本領域に関与する方々の「社会的なネットワーク基盤」のような存在になることができれば、どんなに素晴らしいことでしょう。
最後に、年頭に際しての私自身の目標と決意を記します。何よりも第一に、上記のような団体の姿を目指して、しっかりと事務局メンバーや理事の皆さん、評議委員の方々と連携して、本団体をマネジメントしていくことです。そして、当機構と自身の企業のマネジメントや諸活動を通じて得た経験から、下記のような活動に注力していくことを目標に掲げています。
・「HCDを含むデザイン全般のマネジメント」に関する知見と実践を深めること
・従来の大企業だけではなく日本の産業を支える「中小企業」に対して本分野の啓発・普及を行うこと
・政府や自治体といった「官」の分野での啓発・普及・機会の創出に貢献すること
そして、益々厳しさを増す昨今の世界情勢の中にあって、「海外の中での日本のHCD」といった視点を常に意識し、海外の諸団体や人々と連携しながら、社会課題への解決に寄与して参りたいです。
どうか皆さま、何卒よろしくお願い申し上げます。
2019年(平成31年)1月
人間中心設計推進機構
理事長 篠原稔和