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私は大阪芸術大学の学生有志を集めて未来創造デザイン研究会という組織をつくって学生と共にHCDを実践しています。2018年度の活動として、日頃学んでいるデザインを使った子供向けのワークショップを企画・運営を行いました。
子供がデザインを学ぶとなると絵を描いたり色を塗ったりというようなことをイメージすると思いますが、私たちはデザインの考え方を子供達に対して使えないかと考えました。
私達が学んでいるHCDは、答えがみえないところから問題となっているところをみつけ、解決案を考え、解決案がダメなら、理由を考えて再トライしてゴールにたどり着きます。一方、子供達が普段学校で学ぶ内容は、答えが決まった内容を正しく覚えて、正しく答える事が中心です。しかしながら、社会に出てから直面する問題は答えがないものが数多くあります。
将来、モノづくりに携わるかどうかは別としても、答えのない問題に対処する方法を身に付けることは有益だと考え、HCD手法を応用し、最初はあえて失敗させ、試行錯誤を繰り返しながら最終的に課題達成に結びつけるようなワークショップを企画しました。ワークショップのテストを繰り返しているうちに単純に失敗してから成功に結びつけるような作業だけだと飽きてしまうことに気づきました。そこで私たちはワークショップの課題に対して使命を盛り込むようにしました。子供だと思わず使命を理解するためのバックストーリーをしっかりしっかり作り込んでやると、俄然子供達が生き生きしてやる気を出してきます。
ポイントをまとめると
・達成するための使命感(目的)を与える。
・そして失敗してもいいよと伝えてあげる。
・何度もやり直せる環境を用意してあげる
何度か失敗してようやく達成できたこの達成感は子供達に自信を与えます。この自信こそが今後に必要なものなのです。
HCDの考え方は仕事の現場だけでなく、子供の成長に欠かせない要素でもあるのではないでしょうか?みなさんが学んだHCDを是非ご家庭でも生かしてみてください。