HCDコラム

相談内容と専門家からのアドバイス

1)メンバーやステークホルダーのHCD/UXDの啓発や理解、導入の方法について <相談件数3件>

<お悩み1-1> 参加していないメンバー(とくに上司やクライアント)にユーザーインタビューやユーザーの観察から本質的要求を分析した結果を説明することが非常に難しいです。こういう発言や行動からこのように分析したと説明するのですが、あまり納得してもらえません。「私はそう思わない」「それはあなたたちが考えたことで本当にそうかわからない、思い込みじゃないのか?」などと言われてしまいます。参加していないメンバーにユーザー分析の結果を上手に伝える方法はありますか。


<お悩み1ー1:専門家からのアドバイス①>

もっと具体的に内容を聞かないと何とも言えませんが、申し訳ないですが分析が甘いのが最大原因ではないでしょうか?
ユーザー分析と言われていますが、事実と想像が混ざっていませんか?事実に対して「思い込み」と否定はされないはずです。(事実を本当の事実だと示すエビデンスは必要)分析とは、事実の組み合わせから導かれるものに徹するべきです。「A=B、A=C だから、B=Cと考えます。」このようにA=B、A=Cという調査でわかった2つの事実から、B=Cという調査では得られなかった情報を論理的に導出することに徹してみてはいかがでしょうか?これに「調べてないけど、けっこうB=Dだったりしない?ってかそう思っても変じゃないよね?だからC=Dも成立するよね」と言ってしまうと「思い込み」と言われます。B=Dがどれだけ当たり前で世間の常識であることだとしても、それが事実であるというエビデンス無しに語った時点で「思い込み」になり、科学的アプローチではありません。
この場合は「A=B、A=Cという事実がわかりました。B=Dと仮定します。もし、真ならば、C=Dが成立する可能性が高い。だから次は仮説証明します」という言い方をして、事実、仮説、仮説立案の理由、とはっきり分けて説明すると懸念回避できるかと思います。


<お悩み1ー1:専門家からのアドバイス②>

まずは「認知バイアス」について、理解をしてもらうとよいかもしれません。
それはユーザーにも、うたがっている上司にも、ほんとだと信じているあなた自身にも、人間である以上バイアスの上でものを見ていることをあることだという前提に議論する必要があります。
インタビューや観察の定性調査であっても、同様の発言が何名からあったというふうに数字にしてみたり、実際の録音を聞いてもらったり録画を見てもらうことで、少なくとも1つは事実があったことを共有することから始めてみます。
その事実が人間の認知特性やある価値観を持っている人に該当する可能性が高い、という順番で説明してみると、単なる思い込み、という議論からは一歩進めるはずです。


<お悩み1ー1:専門家からのアドバイス③>

「百聞は一見に如かず」です。
私も、質問者と同じ様な経験がありますが、ステイクホルダーの時間を調整して、インタビューなり、ユーザーテストなり、実査のタイミングに同席してもらい、ユーザーの声や、行動を見てっもらうことが一番効果的と考えます。


<お悩み1ー1:専門家からのアドバイス④>

少し間接的な回答が多くなりますが、まず大前提として、UXに関連する部署・チームがモノ作りのプロセスの真ん中にいなければ、即ちユーザーを中心に据えたコト・モノ作りをしなければ、ユーザーに刺さる製品・サービスは出来ません。それを実現するための環境作りが非常に重要で、特に組織への導入時UX/HCDに従事している人の相当部分の労力は、社内のステークホルダーを巻き込むことための政治的活動に注力しなければなりません。私の場合某大手メーカーでUXチームの立上げを行いましたが、実際に来てくれそうかどうかに関わらず、部署の垣根を越えた広範囲に向けて、ユーザーテストへの見学案内を出すことから始め、ユーザーテストなど見学可能な活動では毎回継続して行っていました。その際決定権を持っている人だけでなく、特に各部署の意識の高い人・声の大きい人には特に個別に声掛けして直接招待しました。また、成果物に関しても、各部署が利用しやすい形で配布するなど、配慮することで利用価値を知ってもらうと共に、社内でのチームのプレゼンス(存在感)を高めることに一役買いました。

それらの根回し的な活動を精力的に行っても、出張者のように時間が取れない人やそもそも興味が無い人など、ユーザーテストに1セッションも見学に訪れない人は出てきます。私からチームに対し、特に参加できなかったオーディエンスに対してユーザーテストの結果などを説明する前に必ず念押ししていた点は、絶対に「私は~と思います。」「私は~と考えます。」のような言い方はしないという事です。質問者の方がおっしゃる通り、「それはあなたの意見でしょう?」の一言で片付けられてしまう恐れがあるからです。必ずタスク後に行うインタビュー・サーベイの結果と紐付けて「ユーザーさんはこう言っています」と、説明するようにします。伝え方に気を使うだけでもかなり変わってきます。日本企業の悪しき例として社長の「鶴の一声」で物事が決められてしまうようなケースは多々ありますが、ワンマンな中小企業の経営者でさえユーザーが言っていることに対しては反論がし辛いものです。

元々定性調査自体が少ないサンプル数で掘り下げる、主観的な要素の強い調査手法なので、UXリサーチについてよく分かっていないステークホルダーから、サンプル数や主観の部分の解釈についてツッコミが入ることはよく有ります。だからこそ先手を打って、説明前に定性調査の意味・意義について会議の冒頭で必ず説明を行い、「それでもユーザー調査の権威であるJacob Nielsenが発表している通り、5人テストすれば7割程度の問題点は抽出できます」などを引用し権威付けすることで、結果の信頼性に説得力を持たせることが重要です。

また、マネージャークラスやクライアントなどのステークホルダーはROIやKPIなど数字を気にする傾向があるので、定性調査と言えども数字の部分を残すようにします。「あくまで定性調査ですが」と前置きした上で、それらのデータも上手に使い、合わせてCost-Justifying Usability (Clare-Marie Karat, Ph.D. from the IBM T. J. Watson Research Center)の"$68,000 spent on usability on another system resulted in $6,800,000 return in the first year."の例などを引用しUXリサーチのROIに関しても理解を促すことが重要です。


<お悩み1ー1:専門家からのアドバイス⑤>

分析結果を説明する際に,何かしらの理論に添って説明すると,より納得してもらいやすくなるのではないでしょうか。例えば,人の行動の本質的な要因をマズローの要求5段階やグラッサーの選択理論などに基づいて説明すると,客観的な説明となり,説得力が増すと思います。


<お悩み1ー1:専門家からのアドバイス⑥>

調査に実際に立ち会っていただくことが一番手っ取り早く効果を伝える手段かと思いますが、レポートの形で伝えるならば、調査の流れを丁寧に伝える必要があります。調査計画内容(なぜ行うのか、どういったユーザーを選定したのかその理由、どういった調査を行ったのか)から始まり、ユーザーヒアリング結果は、個々個別のユーザーごとにローデータに近い形で発言を伝え(重要な発言をまとめたものや、効果的なのはインタビューの録画を編集したものや、重要なシーンのみ抜き出して見せることです。)、最後に個別ユーザーから得られる示唆はなんなのかを伝えるといった流れです。調査結果については、バイアスなく理解しさせることが重要なので、参加していないメンバーが自分ごと化してしまわないように、ユーザーのローデータを引用することで、そこから得られた示唆の正当性を示すということが重要です。


<お悩み1ー1:専門家からのアドバイス⑦>

百聞は一見に如かず、とはよく言ったもので、レポートとして集約されたものと合わせて、そのように結論付けた根拠となる発話や行動をしている部分の動画を見せるのが一番効果的だと考えます。私自身もこれまで調査を行ってきましたが、どうしても説得したい場合は、このような動画のダイジェスト版を用意すると、調査に直接参加できなかったキーパーソンの理解も深まり、調査結果を基に進めるその後の業務の質が上がると考えます。ただ自分の経験は編集に工数がかかるので、予算に余裕があって外部調査機関などに調査を依頼できるときに限られています。しかし、どうしてもその調査結果をもって前に進める必要があるのであれば、自分で撮影・編集を行うと思います。


<お悩み1ー1:専門家からのアドバイス⑧>

プレゼン相手がどのような報告を望んでいるかヒアリングしましょう。そしてその望みをかなえる回答から半歩前くらいのアウトプットをしましょう。アウトプットは一元的になっていませんか?手を変え品を変え、他社のアウトプットをまねたりして継続した工夫をすることが肝心です。やってはいけないことは「こんなことがあったのでこういう分析をしました」ということです。もしくは思い込みであると言ってきた人はプロジェクトに向いていないので他の方法でアプローチしましょう。


<お悩み1ー1:専門家からのアドバイス⑨>

■ 調査の目的・手法・ユーザー等の共有し、分析の途中経過の共有や結論の見せ方の工夫してみてはいかがでしょうか 。

参加していないメンバーには、調査の目的・手法・ユーザー等を共有のうえ理解を頂いていますでしょうか。
共有等をしていないのであれば、そこから始めることが大切とおもいます。

共有等している場合には、分析の途中経過の共有や結論の見せ方を工夫するといいかもしれません。
分析の途中経過を見せないと、検討の温度感が違うため、結論についてこれないことがあります。
(資料作成と一緒で、作成者目線で作成していると、読者に伝わらないなど)
結論の説明時には、サービスのどのようなところで活用できるかの案などを用いると伝わることが多いです。
それでもというのであれば、結果を確認するための調査を行うことも有効です。

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<お悩み1-2>業務システムやWEBアプリの開発において、UIデザインの依頼は来るがHCDに関する業務の依頼が少ないです。予算が限られたなかでHCDプロセスを取り入れようという取り組みや意識があるクライアントが少ないです。(クライアントは主に自社の事業部)どのようなアプローチで開発の中にHCDプロセスの提案、導入を行えばよいかアドバイスいただけると幸いです。


<お悩み1-2:専門家からのアドバイス①>

やることが増える,と思われるとなかなか実施してもらえないですよね。今のやり方をHCDにあわせて変える,と説明できれば,納得して取り組みやすくなるのではないかと思います。工数がそれほど変わらなく,効果が見込めるのであれば,取り組んでみようと思う人がでるかもしれません。


<お悩み1-2:専門家からのアドバイス②>

相談者様がインハウスということでアドバイスします。
・事業課題とHCDの取り組みでフィットさせられるところはないか日頃社内の観察・分析をしてはどうでしょうか?
・HCDが解決できる課題、かかる費用などを資料化していろんな人に配りましょう。啓蒙活動が大事です。
・HCDやUXという言葉にとらわれず、業務効率化や企業課題解決などマーケティングの用語に置き換えて話をしてみるなど 表現方法を変えて伝えていくことをお勧めします。


<お悩み1-2:専門家からのアドバイス③>

UIデザインの依頼であっても、例えばペルソナ、シナリオの整理から依頼されたUIデザインを見直して提案する、といった流れであれば、デザイン部門側の予算の範囲でHCDプロセスを取り入れることができそうです。
既存システム/サービスの改版の場合、依頼範囲が狭く(機能追加や改善の箇所のみ、など)、その部分だけHCDプロセスを取り入れてもシステム全体での整合性がとれないなど、効果が限定的になりますので、できれば新規開発案件から実施できるのが理想です。
他のアプローチとしては、やはり教育でしょうか。新人教育でHCDプロセスを学んでもらえば、数年後にはHCDプロセスに理解のあるリーダーあるいは管理職として、開発に取り組んでもらえるように思います。


<お悩み1-2:専門家からのアドバイス④>

HCDのプロセスを取り入れることは、そこまでコストのかかるモノばかりでは有りません。
UIの改修を受注したとして、デザイン提案の前にプロトタイプでラピッドUTを行い、改修コンセプト説明の補足として利用するだけでも、クライアントとの合意形成に大きく役に立つと思います。
この様な小さな取り組みから、UXD(HCDプロセス)を啓蒙して、クライアントにUXD(HCDプロセス)の重要性を理解してもらえば良いのでは無いでしょうか?


<お悩み1-2:専門家からのアドバイス⑤>

“限られた予算の中で”とのことですので、大掛かりなHCD(フルコース)を導入するのは厳しいでしょう。
まずは、手軽にといいますか、導入できそうなところだけ導入して、未導入との差異)を示すことでその効果をアピールし、段々とHCDの導入範囲を広めていく、ということができれば、と思います。


<お悩み1-2:専門家からのアドバイス⑥>

少し間接的な回答が多くなりますが、まず大前提として、ユーザーが体験価値に重きを置いている昨今、UXに関連する部署・チームが開発プロセスの中心となって活動を行う組織でなければ、即ちユーザーを中心に据えたコト・モノ作りをしなければ、ユーザーに刺さる製品・サービスは出来ません。それを実現するための環境作りは非常に重要で、特に組織への導入時UX/HCDに従事している人の相当部分の労力は、社内のステークホルダーを巻き込むことための政治的活動に注力しなければなりません。私の場合某大手メーカーでUXチームの立上げを行いましたが、実際に来てくれそうかどうかに関わらず、部署の垣根を越えた広範囲に向けて、ユーザーテストへの見学案内を出すことから始め、ユーザーテストなど見学可能な活動では毎回継続して行っていました。その際決定権を持っている人だけでなく、特に各部署の意識の高い人・声の大きい人には特に個別に声掛けして直接招待しました。また、成果物に関しても、各部署が利用しやすい形で配布するなど、配慮することで利用価値を知ってもらうと共に、社内でのチームのプレゼンス(存在感)を高めることに一役買いました。

元々定性調査自体が少ないサンプル数で掘り下げる、主観的な要素の強い調査手法なので、UXリサーチについてよく分かっていないステークホルダーから、サンプル数や主観の部分の解釈についてツッコミが入ることはよく有ります。だからこそ先手を打って、説明前に定性調査の意味・意義について会議の冒頭で必ず説明を行い、「それでもユーザー調査の権威であるJacob Nielsen発表している通り、5人テストすれば7割程度の問題点は抽出できます」などを引用し権威付けすることで、結果の信頼性に説得力を持たせることが重要です。

また、マネージャークラスやクライアントなどのステークホルダーはROIやKPIなど数字を気にする傾向があるので、定性調査と言えども数字の部分を残すようにします。「あくまで定性調査ですが」と前置きした上で、それらのデータも上手に使い、合わせてCost-Justifying Usability (Clare-Marie Karat, Ph.D. from the IBM T. J. Watson Research Center)の"$68,000 spent on usability on another system resulted in $6,800,000 return in the first year."の例などを引用しUXリサーチのROIに関しても理解を促すことが重要です。

ただ、上記の様な開発部隊へのアプローチを進めると共に、実際に彼らをサポートできるだけの自分達のサポート体制も整えておかなければなりません。例えば開発サイクルがアジャルなのであれば、被験者リクルーティングなどリードタイムやレポート期間の短縮など、開発体制をフルにバックアップできる体制が整えられてはじめて説得力のある提案ができます。

最後に、トライアルの重要性についても触れておきます。私が社内にHCDプロセスを導入した際に「軽く・速く・安く」をテーマに掲げました。社内のクライアントの導入ハードルを下げるためだけでなく、実際にユーザーテストなどの場合も、一回の大規模なテストよりも、小規模なテストを複数回行った方がモノも良くなるからです。ただ、どれだけコストダウンしてもある程度のコストはかかります。そのコストを認めてもらうためにも、まずは1件持ち出しでも良いので、モデルケースとなるようなプロジェクトを開発チームと一緒になって行うことをお薦めします。もちろんテストには他のプロダクトチームなどを招待することで、その他のプロダクトでも導入の機運が高まります。良いモデルケースができると、それを使いたいと思う人は必ず出てきます。そこから少しずつ活動の場を広げていって、是非上流から下流までHCDのプロセスを浸透させていって下さい。


<お悩み1-2:専門家からのアドバイス⑦>

■ 簡単で効果的な部分から初めて見てはいかがでしょうか

まず、HCD/UXに関する事柄をクライアントや事業部が認識していますでしょうか。
認識がなければ、まずはHCD/UXが業務にどのように関連するかを認知させるところから始めてはいかがでしょうか。(啓蒙活動、勉強会等)

次に、認識しているが対応していない場合ですが、クライアントや事業部がHCD/UXの有用性や導入ハードルの高さが理解できていない可能性があります。この部分への理解につなげるために、ご質問者がUIデザインに関わられているのであれば、例えばUIデザインと実装・評価をPDCAのように回す方法を対応してみてはいかがでしょうか。他にも、リテンション案件での改善活動もその一つかと思います。それらの活動の中で、クライアントや事業部に有用性や導入ハードルの高さを理解してもらえるのではないでしょうか。また、質問者自身にもナレッジがたまり、プロジェクトへの適用がしやすくなると思います。その上で、HCD/UXのプロセスをクライアントや事業部に提案すると採用しやすくなるかともいます。


<お悩み1-2:専門家からのアドバイス⑧>

HCDで行う活動それぞれを1つのサービス、製品だと考えてみてください。そうすると、クライアントが製品を出した結果、なにが得たいのか、という視点で考えたときに共感できる要素をヒアリングなどで見つけ、そこによいことがある、という説明をしてみてください。
HCDの活動に始めから時間や予算が確保できるケースはまれです。UIデザインのプロトタイプを3人程度で簡単にユーザーテストしてみて、改善結果を説明するのも1つのアプローチです。
業務用システムであれば、ユーザビリティの問題で1作業で5分無駄になるとして、それが一日何回、年何日、従業員の時間を費やしている、という試算をすることで、正確でなくても金額的な影響度合いを共有でき、興味を持ってもらえることもあります。
社内であればいくつか試した中に成功した事例をまとめておいて紹介することで、まずは試しに取り入れてみることを勧めてみます。

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<お悩み1-3>IT企業で5年間、社内向けにUXデザインを推進しており、自社製品や受注案件へのUX支援を多数実施。のべ1割の社員がUX関連の社内研修を受講しており、部分的には順調に進んでいる。しかし実際、UXデザインに理解があるのは幹部と過去支援を行った製品を持つ部署であり、研修を受講してくれるのは若手ばかり。請負現場を仕切る管理職には、UXデザインを導入していただけるよう必死に売り込んでいる状況。管理職は基本的に目先の売上重視で、見た目やUIを良くするだけの狭義のデザインにしか興味を持っていない。そこで今秋、管理職向けのUX研修を立ち上げることにした。社内事例を挙げても、縦割意識が強く響きづらい。UXに興味がなく目先の売上重視な管理職たちを振り向かせられる事例を教えてください。


<お悩み1-3:専門家からのアドバイス①>

管理職の方たちがみなさんが一律「目先の売上重視」だと決めつけてしまってはUXデザインに共感してもらえるポイントは見つからないように思います。
管理職の方にとっての課題はなにか、その中にUXデザインの考え方が活かせる点はないかをヒアリングなどで探ってみます。
社内の成功事例があるのはとても大きな資産だと思います。説明の仕方を管理職の方の視点に変えるだけでも響く方がいそうな気がします。
社外の事例のほうが華やかに見えて興味を持ってもらえることもありますが、自社の他部署よりも前提条件に差があることが多く、実際に導入するときのハードルが上がることも多いです。
少ない人数で全社に向けて、という難しい役割を担っていて大変かと思いますが、1人からでも信頼してもらえる相手を作ること、そこでうまく行った結果を持って広げていく、という順番でアプローチするようにしています。


<お悩み1-3:専門家からのアドバイス②>

この問題は、以前からHCDの課題であり、実際のところ、有効な手立ては未だ見いだされていないと思われます。
ただ、だからといって何もしないということではなく、地道で時間がかかることではありますが、(社内で孤軍奮闘されていると捉えましたので、)まずは社内で仲間を作り、徐々に広めていく、ということしかないように思われます(仲間、すなわち、“HCD導入すべき”という社員の数が増えていけば、上司も無視できなくなるのではないでしょうか。


<お悩み1-3:専門家からのアドバイス③>

■ 提案や保守等でUXデザインを啓蒙してはいかがでしょうか

質問者の社内事情を勘案すると、自社製品・受注案件を質問者自身でつくるのが、一番の事例だと思います。
ただ、大企業の場合には難しいこともあるかと思います。(管理職者の特性次第ではあるかと思いますが。。。)
そのため、以下のような事柄から始めてはいかがでしょうか。

● 顧客提案時からUXデザインでのサポート
最初からプロジェクト入らなくても、顧客提案時に、キーとなるUIの作成や、既存システムのUI・業務関連の分析・新システムのコンセプトメイクもサポートもできます。その時にUXデザインを使い案件が取れればUXデザインの有効性も顧客含めて理解してもらえる可能性もあります。(適用しやすいシステム(スマートフォンアプリ、2C関連のシステム)に絞るなど)

●リテンション案件でのUXデザインの改善等の実施
稼働が長いシステムの場合には、段々とリテンションの余地がなくなってきます。そこをUXデザインの改善から、顧客と予算をつくればよさそうな気もします。


<お悩み1-3:専門家からのアドバイス④>

UXの概念が浸透してかなり経ちますので、ROIに関する事例は多数公開されています。ただ、文面を見る限り質問者さんが読んでいない可能性も有りそうなので、先ずCost-Justifying Usability (Clare-Marie Karat, Ph.D. from the IBM T. J. Watson Research Center)から入る事をお薦めします。


<お悩み1-3:専門家からのアドバイス⑤>

売上(マーケティング)とデザインの関係を調査したNPSの結果などを調べて共有してはどうでしょうか?SBI証券のNPSの取り組みなどはよい事例だと思います。売上増加にどう貢献するか売り上げ重視な管理職の方の目線に立った研修のデザインもしやにいれてはどうでしょうか?


<お悩み1-3:専門家からのアドバイス⑥>

UXデザインが売上の向上にどれだけ寄与するのか,この点がアピールできると良さそうですね。社内の事例だと響かないとのことですが,売上が向上したという実績があるのでしたら,アピールになるのではないでしょうか。当社では,UXデザインに取り組んだ結果,あるソフトウェア製品で売上が前期比で約2倍に増えたという説明が効果的でした。


<お悩み1-3:専門家からのアドバイス⑦>

見た目やのUIの改修にしか興味が無い方が多いのであれば、認知心理学や人間工学の応用でUIを改善するセミナーなどは如何でしょうか?
・ジックナンバー4±1
・チャンキング
・3つの限界時間
・視界の限界点など
ユーザーを把握することで、UIの改善ポイントを見つけられることが理解できると、よりユーザーを理解しようとUXDに興味を持って貰えるかと思いました。

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2)自身のHCD/UXDの学習について <相談件数3件>

<お悩み2-1>リリースしたサービスの改善点を見るためにユーザーテストをしばしば行います。思っている以外の動きが見れて大変ためになるのですが、その問題の分析が正しくできているのか不安です。例えば、専門家に回答してもらえるWEBサービスでユーザーが相談するときに迷っている動きがあったのですが、操作に迷っているのか、何を相談するのか迷っているのか、それとも他なのか、よくわかりません。テストを受けているユーザーにどこで迷っているのか聞くのですが、ユーザーご自身もよくわからないようで、結局UIの修正などで終わりがちです。問題の発見方法や正しい分析方法、またはそれを導くための正しいユーザーテストの設計など皆さんが気を付けていることなど教えていただけますと幸いです。


<お悩み2-1:専門家からのアドバイス①>

ご相談内容は、UX/UI/HCDの専門領域に答えを求めるのではなく、もっと基礎的な知見に答えを求める方が良いと思いました。
ユーザーテストの設計の品質は、そもそもの実験設計の能力と専門性の両方が必要で、実験設計はHCDに限る話ではなくもっと一般論として知見やコツは多くあります。例えば、仮説立案の手法や仮説立証の方法は、HCDに限った知識ではありません。また例えばトヨタ生産方式では「なぜなぜ分析」という真の原因を突き止める知見があります。そういった「基礎的な科学的手法」を学ばれる事をおすすめします。

あと、ユーザの声(不満点)を拾えたとしても、その声を信じ言われたとおりに直しても製品は良くなることは少ないです。なぜならば、エンドユーザは「なりたい状態、それと現状との差分」は話してくれますが、なりたい状態への達成手段は話せません。例えば、病人は「お腹が痛い」と症状は話せますが、腹痛を解決する手段は正確にわかるはずがないです。素人考えが通用して病気が適切に判断できるならば、医者は必要ないですから。この構造と同じです。改善とは、製品にとっての病名が分かり適切な治療方法を選択し、実行し、処置結果の確認が必要な行為です。これがHCDプロセスです。
真の原因と真にユーザにとって良い状態を専門家として正しく定義し、その姿を達成するために改善を繰り返さないと”改善”にはならないと考えます。


<お悩み2-1:専門家からのアドバイス②>
質問する内容に迷っているのか、操作に迷っているか、事前に想定できている課題であれば、テスターさんをお願いする際に質問を持っているかを確認し、該当する方にお願いするのがよいと思います。とはいえ、質問内容を持っている方で十分な人数を集められない場合は、想定する質問を評価を計画する側がいくつか用意します。その中からその方の感覚に近い内容を質問する、という前提でテストすることで、内容に迷う、という点については切り分けができます。
心がけていることは、できるだけテストをお願いする方が、そのタスクを行う動機を持っている状態に近づけることと、テスト前にエキスパートレビューを行い、そこで想定される課題が確かめられるようなタスクになるようテスト設計しておくことです。
そこで想定しきれなかった新たな課題がみつかればそれは工数をかけてテストを行った価値があったということになります。

 
<お悩み2-1:専門家からのアドバイス③>

■ テスト計画・設計で目的の設定、テストユーザー・ケースの設計・プレテストを実施し、テスト結果の分析時には設計者とユーザーの操作に関するギャップをまとめてはいかがでしょうか

ユーザーテストの結果分析が確りできているかが不安とのことでしたが、テスト計画・設計を実施していますでしょうか。もし実施していない場合には、実施してみると問題へのアプローチ・分析が今までシャープになるかと存じます。(テスト計画時にテストの目的の設定、テスト設計時にテストユーザー・ケースの設計、その確認のためのプレテストの実施)

また、結果の分析時にも、設計者とユーザーの操作に関するギャップを整理すると原因の発見に繋がるかと思います。具体的には、設計者の想定操作とユーザーの操作の流れを実際に書き出し、比較して見ることです。操作の戸惑いの原因が発見できるケーズがありますし、次回の改善のときにナレッジにも活用できます。

 
<お悩み2-1:専門家からのアドバイス④>
すでにされているかもしれませんが、ユーザーテスト実施中には、被験者に対し、発話を促し、発話の内容から操作の背景にある思い、考えを理解し、対話をしていくのがよろしいかと思います。また、評価の観点としてはUXハニカムにある、ユーザビリティ観点(見つけられるか、使いやすいか、アクセシビリティが十分か)と、UX観点(魅力的か、使う価値があるか、信頼できるか)といった観点で、示唆を整理するのがよろしいかと思います。ユーザビリティ観点の示唆はUIのインタラクション、情報設計の改善に繋がり、UX観点(魅力的か)の示唆はグラフィックデザインの改善につながり、UX観点(信頼できるか)の示唆もUIの改善につながります。一方で、UX観点(使う価値があるか)は、対象ユーザーの利用目的がきちんと達成できているか=使う意味があるか、につながるので、機能要件の見直しや、サービスコンセプト全体の見直しにつながります。UXハニカムnのようなフレームワークを意識した評価を行うことで、多面的にサービスの見直しを図ることができます。

   
<お悩み2-1:専門家からのアドバイス⑤>
ユーザーテストはテストの部分とサーベイ(各タスク完了後とタスク全体の終了後に行う質問)を上手く組み合わせることでより威力を発揮します。参考までに、テストの内容によって多少前後しますが、私が1時間のユーザーテストの設計をする場合、以下の様な構成で設計することが多いです。

1. 自己紹介・ラポール・アイスブレーク・テスト概要説明 - 7分
2. タスク - 45分 (4分x6 + 該当タスクに関するサーベイ3分x6 + バッファ3分)
3. タスク終了後に対象プロダクト全体やテスト全体に関するサーベイなど - 5分
4. クロージング3分

質問者の方の例の場合、ナビゲーションなど「UI上の問題」と「何を相談するのか」の両方で迷っている可能性があるので、それぞれについて確認が必要です。質問者の方が触れている通り、実際のユーザーやテストの被験者は、自分の思考・行動について上手く関連付けて説明できない場合が多いです。操作中はモデレーターから被験者へのアプローチは最小限に留めたいので、該当する部分が含まれるタスクが終了後、必ずモデレーターにその両面について個別に質問してもらって下さい。
例)
1. モデレーターに口頭及び画面上の操作で迷っていた状況を再現させ、被験者に該当場面の状況を思い返してもらう
2. UI上の問題について迷った点を直接聞いても要領を得ないようであれば、実際の問題点を特定するために細分化の作業が必要になります。実際に迷っていた当時に被験者がとった行動を、一つ二つ前のステップから順番に再現し、それぞれのステップについて確認して潰していく事で実際の問題点を特定します。
3. 合わせて、何を相談するのかについては迷わなかったかを聞く事で、迷っていたのがUI上の問題だけだったのか、それとも質問の内容についての両方だったのかが確認できます。

   
<お悩み2-1:専門家からのアドバイス⑥>
Webサービスであれば、定量分析からある程度の離脱ポイント(課題箇所)は把握できると思いますが、実際に、なぜユーザーがその箇所で離脱しているのか?ある程度の仮説までしか立てられないことが多いと思います。多くのサービス運営者は、定量仮説を元に実装するのは少し不安なので、UTを行っていると思います。

UTは上記のように、ある程度の仮説は持っているが、もう少し具体化したい場合にに効果的です。
仮説を元にタスクと検証ポイントを設計します。
質問者場合であれば、
定量分析の結果、質問ページから離脱しているのであれば、
・操作方法がわからない・操作できない。
・専門家へ聞きたいことが無い。
など、クリティカルな問題が発生していると仮定できます。

そうではなく、実際には時間はかかっているが、質問率は低くない場合は、
・何を聞くかを迷っている。
・操作がめんどくさい。
など、魅力的品質への向上余地があると仮定できます。

上記の過程を元に、まずは検証ポイントを決め、UTの際に、被験者の発話や行動観察から推測を行う形が良いと思います。

被験者になぜですか?と質問して、その答えをそのまま、改修内容にすることは避けたほうが良いでしょう。被験者の偏った考えかもしれないし。設計の専門家ではない一般ユーザーの表現が正しいとは限らないからです。

     
<お悩み2-1:専門家からのアドバイス⑦>

「認知心理学」の勉強をすることをおすすめします。認知心理学は人間の思考をモデル化しており、認知した後の行動がどのように判断するのか理解しやすくなります。おすすめ本はコチラ「認知的インタフェース―コンピュータとの知的つきあい方 (新曜社)」。代表的な認知モデルを知ることでユーザーテストを観察しているときの視点に使えると思います「ノーマンの行為の 7 段階モデル」「ラスムッセンのSRKモデル」「佐伯のモデル」など。インタビューの本にもこのあたりは載っていませんし、最近のUXの本にも取り扱いがないです。私がユーザーテストのインタビュアーになった際先輩方からこの本を進められ読み、インタビュアーのスキルが上がったと思います。

     
<お悩み2-1:専門家からのアドバイス⑧>
操作自体をテストしたいのか、そのサービスでユーザーが相談したいと思う内容も含めてテストしたいのか、テスト設計の段階で明確にする必要があると考えます。操作自体のテストであれば、予め相談する内容を用意しておいて、そこで迷わないようにするとよいと思います。相談内容も含めてテストしたいということであれば、ユーザビリティテストというよりもそのサービスの価値をテストすることになると思います。ユーザーが何を相談するかを知ることで「このサービスにどんなことを期待しているのか」を把握する一助になると思います。ただその場合は被験者に「相談したい」モチベーションが必要ですので、被験者集めの段階でモチベーションを計るための質問を入れる必要があります。調査設計段階で知りたいことを明確にして、調査設計を行い、本番テストの前にプレテストでさらに聞きたいことが聞ける調査設計になっているか確認するのがよいと思います。

       
<お悩み2-1:専門家からのアドバイス⑨>
ユーザーテストは,ユーザーに目的をもって取り組んでもらい,その目的を自力で達成できるのか評価するのが基本だと考えています。自力でできないのは何が要因なのか,見てわかることもあれば,見ただけではわからず,ユーザーに質問して確認することもあります。
ユーザー自身がわからない,という状況がイマイチ把握できないのですが,もしかしてユーザーに好きなように使ってもらってはいないでしょうか?そうであれば,タスクの設計をしっかりと行う必要があると思います。タスクは設計されているのでしたら,ユーザーへの質問方法を工夫する必要があるかと思います。

       
<お悩み2-1:専門家からのアドバイス⑩>
テストの目的に直接関係ない要素はなるべく排除するよう、設計時に留意されるとよいと思います。
例えば、挙げていただいたテスト事例の目的がUI改善のための問題点抽出、と仮定すると、相談を入力する画面では予めテスト実施側で用意した相談内容を入力してもらえば、「何を相談するのか迷っている」状態を排除することができると思います。
また、テスト後のヒアリングで被験者からコメントを引き出すのは技術と経験が必要です。自分でもなかなかうまくいかないと思っていますが、なるべく回答を誘導しないよう、観察した事実をもとに被験者の言葉を引き出すことを心がけています。
そもそも、「思っている以外の動き」が見られることがユーザビリティテストの目的の9割くらいを占めているのではとも思っています。それは開発者やデザイナーからすると当たり前でも、利用者からすると当たり前ではなかった、というポイントの可能性がありますので、丁寧に分析し、製品・サービスのコンセプトや想定ユーザー像などと照らし合わせて、地道に改善可否の判断を続けていく、ということに尽きるのではないでしょうか。

         
<お悩み2-1:専門家からのアドバイス⑪>
挙げられている例が、実際のユーザーだと実施は難しいと思われますが、ユーザビリティテストとして行えるのであれば、「思考発話法」や「回顧法」があります。
「思考発話法」は、最も標準的なユーザビリティテストの進め方の一つで、タスク実行の過程でユーザーが考えていることをその場で発言してもらい、観察者はシステムを操作する様子と同時に発言内容を記録する方法で、ユーザーの行動や振る舞いの背景にある心の内、とりわけ「なぜ、そうしたのか」を窺い知る手がかりとして、思考発話法は有効であるとされています。ただし、人が操作を行いながら同時に発話することは意外とむずかしい行為ですので、可能ならば事前に思考発話に慣れてもらうための練習を行えると良いでしょう。
「回顧法」は、テスト中には意図的な発話を求めず、タスク終了後に改めて、ビデオ等を参照しながら、改めて自身の行動を振り返りながら質問に答えてもらう方法です。「思考発話法」で懸念される、人によって出来不出来に差が出たり、タスク途中での発言がパフォーマンスに影響を与えたり、といった点を回避できます。ただし、実際の操作からある程度時間が経過していることもあり、操作時の行動意図を忘れてしまったり、後から解釈を付け加えてしまったり、というリスクが伴う恐れがあります。
実際の現場では、思考発話法と回顧法を組み合わせたカタチで実施されることが多いようです。
(これらのことは、『HCDライブラリー第7巻 人間中心設計における評価』に記載されています。ご参照ください。)

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<お悩み2-2>WEBデザイナーをやっていますが、そのサービスのターゲットユーザーの好みにあったデザインを見つけるのに何か良い方法はありますか。とくにグラフィックデザインは主観的な感性が大きく影響すると思うのですが、どういったテイストやデザインが良いのか客観的に調査できたらと思います。調査結果があれば自分自身はもちろんですが、上司や周りのメンバーに説得力を持って説明できると思います。色々な方法を知りたいと思います。よろしくお願いいたします。


<お悩み2-2:専門家からのアドバイス①>

・指向性調査:商品を試用した対象者が、年齢性別等のセグメント別で、どのような嗜好性があるのかを把握する調査です。嗜好性による分類ができるので、ターゲットの絞込みができます。

・感性評価:消費者の、あいまいで複雑な感性を定量的・定性的に分析し、製品やサービスの設計に活かすためのデータを得るための手法。

この上記の調査が効果的と思われます。


<お悩み2-2:専門家からのアドバイス②>
調査をする前に「ターゲットユーザー」と「その好み」を具体的に仮説を立てて自分の言葉で表現する、もしくは図にして関係者と共有しておくのがよいと思います。
「テイスト」というのもあいまいな表現なので、フォント、色合い、形状の特徴、配置のバランスなど、デザイナーとして普段から意識している要素をある程度分解しつつ、それがターゲットユーザーの好みがどのように反映させたか、説明することでデータがない段階でも納得感はでてきます。
ターゲットユーザーがプロジェクト内で明確にできていれば、それに該当する方を集めて複数の案についてアンケート調査を試みます。
そのときにはただ、好きか嫌いかを質問するのではなく、「好み」の要素についてどう感じたかも選択肢にして集計すると、5人程度でも傾向が見えてくることが多く、デザイナーの主観だけではない、客観性を持った数字として説明ができることが多いです。それを調査前のターゲットユーザーやその好みの説明にフィードバックして再定義するとより説得力が増します。

 
<お悩み2-2:専門家からのアドバイス③>
ABテストが有効ではないでしょうか。テイストの異なるデザイン案をいくつか作成し,ユーザーにどれが良いかアンケートで問うことで,好まれるテイストを客観的に判断することができます。

 
<お悩み2-2:専門家からのアドバイス④>
■ ターゲットユーザーと接点があるサービスを参考としてストックし、必要に応じてターゲットユーザーに確認するのはいかがでしょうか。

基本はターゲットユーザーと接点があるサービスを洗い出し、そこからサイト等を参考として整理しています。必要に応じてターゲットユーザーにデザインの受容性に関するアンケートやインタビューを行うと、デザイン確度が上がります。

   
<お悩み2-2:専門家からのアドバイス⑤>
アプローチは2つあります。1つは、ユーザーの好みに合わせる。2つめは、WEBページの主張に対して最適なデザインテイストを選定する。
どういった分野のWebであるかで大きく変わりますが、ファッション系だとブランドイメージがあり、その表現手段としてWebデザインがあります。ので、ブランドイメージからデザインテイストが導けるので、「自分のブランドをどう思われたいか?」が説得材料になります。(但し、ブランドイメージはどう作られているかというと、ブランド戦略から決まり、ブランド戦略立案時に、ターゲットユーザーとその嗜好は調査します)
逆に1つめの場合は、ターゲットユーザーに支持されている他の製品の意匠分析が客観的説得材料になるかと思います。特別で大げさな調査は必要なく、世代別・製品別の人気ランキングなどはNetを調べれば調査結果は出てきますし、日経デザインでも連載されています。
「ゴム人間」と非難される可能性はありますが、ターゲットとするユーザー像をペルソナとして定義し、メンバーの思い込みで良いので、ペルソナが選びそうな製品を並べるだけ。

   
<お悩み2-2:専門家からのアドバイス⑥>

サービスの定義を明確にしたうえで、ターゲットユーザーの範囲(どの程度の範囲のユーザーをターゲットとするのか)を定義をします。1)ターゲットユーザーが狭く絞り込まれるようであれば、その方たちに共通する興味関心が絞り込まれ、興味関心を寄せる商品やサービスから好みのグラフィックも明確になってくると思います。(例えば、オタク向けのサービスとファッションへのアンテナが高い20代女性へのサービスであれば、差ははっきり出ると思います)2)ターゲットユーザーを絞り込むのが難しいのあれば、一般的に今後のグラフィックの流行を、iOSやAndroidのこれまでの変遷や、現在人気のあるグラフィックなどから分析して、その方向性から外れない範囲でデザインする(嫌われないデザインにする)のがよいと思います。グラフィックは快適性の一部だと考えますので、まずは問題なくそのサービスが使えること、グラフィックはそれをじゃましない、というのが、ターゲットユーザーが広い場合にはよいかと考えます。1)2)どちらの場合も商品・サービス・アプリ等の画面を集めてイメージボードを作成し、ターゲットユーザーに当てはまる人にグラフィックボードを用いたインタビューを行い、方向性を洗練化させていくのがよいと考えます。イメージボードと調査結果を用いて、説明資料にすることができます。

     
<お悩み2-2:専門家からのアドバイス⑦>
ターゲットユーザーが特定できているのであれば、オンライン上、オフライン上でターゲットユーザーがどういったもののを見て、利用しているのかを調べるのが良いと思います。オンライン上ではターゲットユーザーが魅力を感じ共感を持って利用しているアプリやサイト、オフラインでも同様で魅力を感じているものを明らかにするということです。オンラインの調査はアプリ、サイトのトンマなを検討する上で重要でしょうし、オフラインも調査することで、オンラインの調査だけだと真似て終わりになるリスクがありますが、オフラインも調査することで、さらに良いデザインを検討することが可能になります。また、グラフィックデザインのトレンドも見ておく必要があると思います。トレンドについては、海外系のメディアですとそういったトレンドを出しているところがあるので、調べられるとよろしいかと思います。

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<お悩み2-3>HCDの勉強方法を教えていただきたいです。


<お悩み2-3:専門家からのアドバイス①>

実践あるのみ,ではないでしょうか。やってみないとわからないこともあるので,とにかく体感することが大事だと思います。


<お悩み2-3:専門家からのアドバイス②>
自分は幸い社内で研修があったのでそれをきっかけに勉強をはじめました。
そこから本を読み漁り、大学院にも参加して体系的な知識や経験を身に着けたり、社外セミナーで違う視点で学ぶ中で共通性を見つけ理解するよう努めてきました。
最近は国内、海外ともにUXデザインに関するWebサイトやニュースフィードなどが数多くあるので、最新の情報はそれらをFeed Readerなどでチェックしています。

 
<お悩み2-3:専門家からのアドバイス③>
英語になってしまいますが、実際にセミナーやクラスを受講する時間や予算が無い場合には、Udemyのようなオンラインの学習方法をお薦めします。


<お悩み2-3:専門家からのアドバイス④>
セミナーやワークショップへ参加し、関連書籍から情報を吸収して、後は実践あるのみ。
間違ったプロセスの導入は、プロジェクトをミスリードしかねないので、セミナーやワークションプで基礎を学んだ上で、書籍などで知識を積み増しする方法が良いかと思います。


<お悩み2-3:専門家からのアドバイス⑤>

■ 現在のプロジェクトワークでHCDを学習・実践してみてはいかがでしょうか

基本的にはプロジェクトワークの全てでHCDを学習・実践することはできると考えています。
例えば、設計書を書く場合には、読み手(実装者、PM、クライアント等)を意識していると思います。
そのため、読み手の特性を理解したものを作成するはずですし、読み手の特性に合わせた説明をしているのではないでしょうか。これだけでも十分にHCDであると言えます。仮に手法的なものを学びたければ、設計書の準備の段階で読み手の特性調査のときに手法をちょっとづつ使ってみるといいかと思います。この場合いづれの場合にも、作業後に必ず内省することです。(過去の自分の設計書と比較してどうか、手法を使ってみたがどうであったかなど)

 
<お悩み2-3:専門家からのアドバイス⑥>
すでに、人間中心設計スペシャリストの認定資格もお持ちで、3年以上プロジェクトでHCD/UX実践経験がおありのようですので、『HCDライブラリー(0巻~3巻、7巻)』を読む、HCD関連のセミナーに参加する、ということは実施されていると思います。
例えばですが、一度、“教える側に回ってみる”ことを実践してみるのも良いかと思います。HCDに限らず、教える立場になると、自分自身が分かっていないと、うまく説明できない、という状況に陥ってしまいます。そうしたことから、自分自身の知識として不足しているところを見つけ、そこを補っていく、ということになろうかと思います。
また、情報の扱い的に許されるのであれば、HCD研究発表会のような場で、自身の取り組みを発表してみるのも良いかと思います。これも上記と同様に、他者に説明するとなると、きちっと論理的に説明する必要があり、あやふやな部分や、理解が不足しているところなどを見つけ出す良いきっかけになることがあります。

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HCD-Netで人間中心設計を学ぶ

HCD-Net(人間中心設計推進機構)は、日本で唯一のHCDに特化した団体です。HCDに関する様々な知識や方法を適切に提供し、多くの人々が便利に快適に暮らせる社会づくりに貢献することを目指します。

HCDに関する教育活動として、講演会、セミナー、ワークショップの開催、 HCDやユーザビリティの学習に適した教科書・参考書の刊行などを行っています。