HCDコラム

少し前の話にはなるのですが、弊社の取り組みの中でいわゆる「XR」(VR・AR・MRのような仮想現実と呼ばれるような技術の総称)に関する技術調査/技術獲得を目的に、R&Dを実施したことがありました。
当時は、その中でも特にMRの分野で、Microsoft社が開発したヘッドマウントディスプレイのHololensを用いて、3DアプリのUX/UI設計・開発を試みたりしておりました。
XRそのものについての話はこの場では省かせていただきますが、このような新しい技術(XRは最早新技術とは言えないくらい一般化しているとは思いますが…)に実際に触れてみて感じたことを、特にUX/UIの観点でお話させていただければと思います。

唐突ですが、映画「バックトゥザフューチャー2」で主人公マーティの未来の家族が集まる食卓で、子供達がスマートグラスのようなものを身に着けていて、電話を受けたり、音声操作で果物を取り出したりするシーンがありました。
個人的には、そんなに遠くはない将来で、正にこの映画のイメージの様に、スマートグラスが第二のスマートフォンとして一般に使われるようになるんじゃないかと思っています。
そうした時に、この様なスマートグラスのデファクトUIとはどういうものになるか(するべきか)について、やはり興味が湧いてきます。(残念ながら映画においてそのUIは謎でしたが…)

ここでいうスマートグラスは、VR(仮想現実)ではなくMR(複合現実)の話なので、正にHololensの様なMRグラスが近いものになりますが、そのUIは勿論まだまだ検討の余地があり、どういうUIであればより良いUXが提供できるか、というところはこれからの課題になると考えています。
スマホやPCとの決定的な違いは3Dであることで、従来の2Dに加えて奥行きという次元も使えることからその表現の幅も大きく広がり、UIで用いるメタファーも、より現実に近いものになってくると考えらえれます。また、自宅等屋内であれば広いスペースを使えるものの、移動中等屋外であればスペースは限定されるといったこともあるので、標準的に表示モードの切替のようなことも必要になるかもしれません。

とりとめのない話になってしまい恐縮ですが、、今後も引き続き、次世代スマートデバイスのUI/UXについて考えていきたいと思っています。


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HCD-Net(人間中心設計推進機構)は、日本で唯一のHCDに特化した団体です。HCDに関する様々な知識や方法を適切に提供し、多くの人々が便利に快適に暮らせる社会づくりに貢献することを目指します。

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