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最近、いろんなところでDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を耳にするようになりました。私自身もこの数年、D Xをテーマにしてお客様の業務変革に関わってきました。
昨年までは、一部の人の間で使われる言葉であった印象ですが、今年のC O V I D−19による急激な環境変化により、広く浸透してきたように思います。ですが、急速に広まったために、すでにバズワードになり、一方で魔法の言葉のように使われている面もあるなと実感しています。D Xにおいては最新のI T技術に注目が行きがちですが、D XこそH C Dを実践しなければ実現できないものだと、私は思います。
D Xの用語の初出は、2004年にスウェーデンのウメオ大学教授のエリック・ストルターマンが「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」と定義したことからだそうです(私調べ)。この定義を引用して考えてみると、現在のD Xでは、「I Tの浸透」に世の中の目が向いてしまっていて、D X=I T化と誤解されているケースが多々あります。そのため、I Tを導入することが目的となってしまって、使わない機能がてんこ盛りのシステムを導入するような、H C Dではダメケースに該当するようなことが現実に起こっています。私は、D Xの本質は「人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」であり、常にユーザ目線で、ユーザのことを考えることができなければ、D Xは実現できないと考えています。ここはまさに、H C Dの活躍のしどころだと思います。加えて、もう一つ重要なのが、変化を広範囲に実現するのではなく、今求められている最小単位で、少しずつ変化させていくことです(これはアジャイルに通じるところがありますがそれは別の機会があれば)。
H C Dにより、ユーザに必要な変化点を見極め、それを少しずつ変化させていくことで、目まぐるしく起こる変化にも柔軟に対応できるようになり、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」世界を実現できるのではないかと思います。私自身もH C Dを実践するものとして、この世界の実現に少しでも役立てるように頑張っていきたいと思います。