HCDコラム

みなさん、人間中心設計プロセスをどのように回しているでしょうか? 「(1)ペルソナの仮説」「(2)カスタマージャーニーマップ(AS-IS)の仮説」「(3)ユーザーリサーチ」「(4)リサーチ結果の分析(カードソーティング等)」「(5)カスタマージャーニーマップ(TO-BE)の創出」「(6)シナリオ作成」といった感じで進めるケースが多いのではないでしょうか? 

(5)でアイディアを創出することになると思いますが、わざわざペルソナとかカスタマージャーニーマップとか作らなくても、その程度のアイディアは出せるのでは?と言われたり、自分でもそう思ったりすることはありませんか? (2)をベースに(5)を作っているので、現状のタッチポイントごとに新しい体験を考えることになり、改善止まりのアイディア発想になるのは至極当たり前のような気がします。そうなのです、人間中心設計は改善なのです。

でも、人間中心設計で新しいサービスを生み出そう! そんな掛け声で取り組んでいる人たちも多いと思います。ではどうすれば良いでしょうか? そのためには、(4)で同じ言葉が含まれたカードで分類するといった単純な構造化をするのではなく、問題の本質がどこにあるのかを見抜かなければなりません。そして、それを解決するアイディアを発想し、新しい体験を描くのです。

過去の実体験からKJ法を用いると良いと確信しています。KJ法は…と、この魅力を話し出すと長くなりますので、学びの場をご紹介します。HCD-Net関西支部では川喜田二郎先生から直接KJ法を学ばれました國藤進先生による合宿形式のワークショップを毎年開催しています。画期的なアイディアはそんなに簡単に出せる訳ではありません。同じ問題意識を持った仲間たちと徹底的に取り組んでみましょう。参加者からはアイディアが降りてくる瞬間を体験した!!との声をたくさんいただいています。今年は残念ながら新型コロナウイルスの影響で中止となりましたが、来年は開催(候補地:青森県)できるよう鋭意検討中です。みなさん、KJ法を学ぶと世界が変わります。是非ワークショップに参加してみてください。


HCD-Netで人間中心設計を学ぶ

HCD-Net(人間中心設計推進機構)は、日本で唯一のHCDに特化した団体です。HCDに関する様々な知識や方法を適切に提供し、多くの人々が便利に快適に暮らせる社会づくりに貢献することを目指します。

HCDに関する教育活動として、講演会、セミナー、ワークショップの開催、 HCDやユーザビリティの学習に適した教科書・参考書の刊行などを行っています。