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年度末となりました。この1年はコロナ禍により仕事も私生活も大きな変化を強いられることとなりましたが、自分的には困惑しながらも比較的すんなり変化に対応してきたように感じています。一例として、テレワーク主体の在宅勤務では、TermsやZoomなどのコミュニケーションツールを毎日利用するようになり、今ではまったく違和感なく、電話ではできない画面共有での会話もでき、最早なくてはならないものとなっています。
さて、この手のクラウドサービスアプリやサブスクのアプリでは、予告なく(?)UIが更新されますよね。「ン?…あのボタンどこに行った?」「この表示ってこうだったっけ?」「あっ!新しいアイコンがある!」などなど。昨日までの操作が今日は、アレッ?となってしまう。これって、みなさんどう思いますか?
UXの向上を図り、すぐに改善してリリースできることは、クラウドサービスのメリットであるとは思いますが、ユーザーはその都度その変化に順応していかなくてはなりません。実際に皆さんもこうした変化にすぐに慣れ、寛大な心をもって受け入れていますよね。「これは便利になった」いや「前の方が良かった」など賛否両論あろうかとは思いますが、どんな変化にも順応していかなければならないのが、ニューノーマルの世の中なんですね。取り残されないような努力も必要ということでしょうか。
一方、私が業務で関わってきたインフラ系の業務システムの世界では、極端に変化を嫌います。既存システムのUIを改善する提案も、その業務に支障を来す可能性がある変化には慎重にならざるを得ません。特にヒューマンエラーが人の命に係わる重大な作用をもたらすことさえあると考えれば、当然のことかもしれません。
しかし、レガシーシステムの改善だけではなく、新たな開発だとしても「今までのやり方とは違う」「慣れた操作を変えたくない」という理由で提案を否定されることもしばしば。背景には、使いづらさに対する問題意識が薄いことや、変わらないことへの安心感などがありそうです。中には、使いづらいシステムを使いこなすことが一つの能力と考えていたり、使いづらいと感じるのは自身のリテラシーの問題と捉えることさえありました。
このようなレガシーマインドセットをフレキシブルな方向に向けるには先ず、その業務に精通したユーザー(ペルソナ)の業務フロー体験に共感し、業務システムのUXとは何かを理解する必要があります。しかし、専門性の高い業務になればなるほど変化を嫌う傾向があるので、HCDの入り口ながら、ここが最も困難なプロセスと感じています。
ただ、コロナ禍で様々な変化を強いられたこの1年で、特に業務の環境変化に対する抵抗感のハードルは下がったのではないかと思っています。これにより業務フロー、業務プロセスの変化にも柔軟な考え方が出てくることを期待しています。また、ニューノーマルの生活におけるマインドセットがどのように変わってきているのか、今後どのように推移するのかも興味深いところです。
ニューノーマルでのこんな変化、あんな変化を皆さんとできれば、飲みニケーションの場で共有したいと思います。ビジネス支援事業部の各委員会活動やセミナーなどのイベントは、オンライン開催がすっかり定着していますが、今後リアルなイベントが再開できるようになり、安心して飲みニケーションできる世の中になるのを楽しみにしています。