HCDコラム

株式会社medibaで主にwebサービスのUXデザイナーをしている大安(おおやす)です。

新卒入社から同じ会社ですが、幸運にも様々なUXデザイン業務に携わってきました。また業務だけでなく、Xデザイン学校等のセミナー関連や書籍等、常に新しい情報が入ってくる環境で過ごしております。

そんな様々なUXデザイン業務を行う中で、結局のところUXデザイナーってなに?って思うことが多くなってきました。当初は「ユーザーのニーズ・課題を把握してサービス作りをすること?」程度の認識でしたが、UXデザイン業務の幅が広がり、他社・市場を踏まえて考える中で、認識をアップデートする必要があると思っています。

これまでの仕事を振り返って、私が思うUXとは「サービスに関する全てのものづくり業務が因果関係的にユーザーに還元される仕組み」で、UXデザイナーは「その因果関係を予測し解き明かす探偵」のような役割だと考えております。
某少年探偵アニメの密室事件を想像してもらえればと思いますが、彼は些細なヒントを少しずつ収集し、どう密室で事件が起こったのか明確にします。さらに、犯人の動機まで推測し訴えかけ、事件を解決に導く、これが大筋のストーリーですが、私は「犯人の動機まで推測し訴えかけ、事件を解決に導く」という点がUXデザイナーの注力ポイントだと思っています。

サービスの改善活動に置き換えると、どう事件(課題)が起こったのか、定量データ等からヒントを見つけ、理論的に解決しようとする場面があるかと思います。ただ、事件(課題)の根本には常にユーザーの動機・感情があります。その動機・感情に訴えかけ、サービスの根本課題を解決するのがUXデザイナーだと思います。

もちろん定量データ等からヒントを見つけ、グロースハック的に日常的に改善をしていくことは大事で、こういった細かな改善がユーザビリティ・CV向上に繋がっていると思います。ただ、定量データから見えるユーザーの動きを法則として捉えるだけでなく、実際のユーザーに触れ雑味のある情報も取得しすることが、大事ではないかと考えています。

今後も多くのユーザーにふれ、ヒントを収集し続けたいと思います。


HCD-Netで人間中心設計を学ぶ

HCD-Net(人間中心設計推進機構)は、日本で唯一のHCDに特化した団体です。HCDに関する様々な知識や方法を適切に提供し、多くの人々が便利に快適に暮らせる社会づくりに貢献することを目指します。

HCDに関する教育活動として、講演会、セミナー、ワークショップの開催、 HCDやユーザビリティの学習に適した教科書・参考書の刊行などを行っています。