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プロジェクトチームを結成し、製品やサービスの改善などを目的に人間中心設計プロセスを実行するとき、おおよそ「課題設定」「ユーザー調査実施」「ユーザー調査結果分析」「改善策検討」といった流れで進めていると思います。
しかし、ユーザー調査を実施するあたりまでは順調に進んでいたのに、調査結果を分析してアイデアを発想するあたりから、別のタイプのユーザーでも調査しようとか、解決策が物足りないとか、チーム内で食い違いが生じた経験はないでしょうか? その原因は「課題設定」の段階で、プロジェクトチーム内で課題についての共通認識を持てていると思って、次のプロセスへと進めてしまったからかもしれません。
例えば、あるサービスの登録手続きが煩雑だというインプットがあり、その改善を目的に活動を行うとします。その場合の「課題設定」を考えたとき、登録手続きのユーザインタフェースの使い勝手が課題なのか、登録手続きという作業自体のあり方が課題なのか、サービス全体の満足度が低下していて登録手続きという作業に不満が表出しているのか、さまざまな課題の捉え方があるでしょう。
「課題設定」が異なると、そのあとのユーザー調査で注力する点が変わってくるでしょうし、アイデアの出し方も変わってきます。関係者が何を課題と捉えているか、しっかりと情報収集し、可能であれば関係者が一堂に会して「課題設定」のワークを行うと良いでしょう。
人間中心設計プロセスの実施内容にウェイト付けをするとしたら、「課題設定」30%、「ユーザー調査実施」30%、「ユーザー調査結果分析」30%、残りが10%くらいではないかと思っています。「課題設定」ワークのうまいやり方については、また機会があれば・・・