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BtoBサイトや業務システムのWebディレクターとして、カスタマーサポートにおけるテックタッチ・データ活用の文脈からCX・EX改善を支援するプロダクトセールスエンジニアとして、自社オウンドメディアのWebプロモーション担当として、そして1児の母として、その時々にあわせ、“より良い体験とは何か”を考えながら日々過ごしております。今日は、母の側面からの気づきをご紹介したいと思います。
昨年末、我が家に新たなペットが仲間入りしました。ペットといっても、育成ゲームの中で育てたキャラクター達です。
私もかつて社会的ブームとなった卵型の育成ゲームに憧れ、手に入った時には本当に嬉しく、大切にお世話をしていました。そして、あの悲しい天使のシーンを避けるべく、通学時間は両親にまでお世話をお願いした記憶があります。
その後も、専用ゲーム機、スマートフォン、タブレットなどを通じて、このような育成ゲームは身近に存在し続けているように思います。
先日、我が家にきた育成ゲームは、かつてのような愛くるしいキャラクターが成長することに加え、デバイス本体に付着する柔らかいゴムボタンを通じて、そのキャラクターを“撫でる"ことができる商品でした。
昨今のリアルなコミュニケーションにおいて、他者との接触を避け、マスクやフェイスシールド越しに他者との快適距離を保つことが刷り込まれている娘にとって、撫でる・接するといった体験は積極的に育児に取り入れたいと思っている感覚の一つでした。
ようやくひらがなカタカナを一人で読み、理解できるようになってきた未就学児ということもあり、まだ使いこなせないのではないかと思いながらも、こちらの商品をプレゼントしました。
念願の商品を手に入れた娘は、特に困る様子もなく、小さな液晶と、3つの物理ボタン、そして柔らかいゴムボタンのインタフェースを使いこなし、食事の準備、入浴補助、部屋の清掃など、日々愛するペットたちの育成に励んでおります。たまに家族を巻き込みながら。
娘が毎日楽しんでお世話が続けられる秘訣に、キャラクターに対して“愛着”という感情を持っていることに気づきました。
娘との会話からも、“撫でる”を物理ボタンで選択するのではなく、よりリアルに近い形でゴムを“撫でる"行為によるお世話体験によって、より強い愛着が芽生えていることが分かりました。
残念ながら直接お聞きすることはできておりませんが、商品開発者のインタビュー記事から「昨今は視覚・聴覚中心なデジタルな世界に閉じてしまっているので、触覚を使ったリアルなお人形遊びのように、キャラクターと直接触れ合って遊べるようにしたほうが子供たちにより商品を楽しんで使ってもらえる。」「他のヒット商品への評価などから、柔らかい手になじむ触感が子供たちに受け入れられやすいことが分かってきた。」という商品誕生の裏側を知りました。
それだけでなく、「未就学児でも感覚的に操作しやすい」「キャラクターの進化が明瞭な3段階で分かりやすい」「子供たちの好きな“買い物体験"を通じて着せ替えや模様替えといったパーソナライズ要素を持っている」「ドキドキワクワク感を増すためにレアキャラが出現する」「20時以降はキャラクターの睡眠時間になるといった利用制限をかける」など、こういった一つ一つの潜在・顕在ニーズを把握し、商品に取り入れ、利用者の声から微調整していくといった改善サイクルを繰り返した結果、現在の心地よいプロダクトに進化し、娘にとって良い体験を提供してくれているのではないかと想像します。
玩具・ゲームを通じて得られる体験は、大人が想像する以上に子供の成長に影響を与えているのではないかと思います。スポンジのように何ごとも吸収する子供時代に、より成長の糧になるプロダクトが溢れます様に。
そしてこのような改善サイクルに取り組む一人の有識者として、今後も邁進していきたいと思います。