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現在私はC向け事業会社におけるB向け新規事業部門において、事業戦略を担う立場で活動しています。
C向けの事業会社でパートナー企業の支援をするという立ち位置に着くことが多く、過去に何度かBtoBの取り組みをさせていただきました。
そうしたBtoBの取り組みでは基本的に相対するのは支援先事業者の担当であり、価値提供はその先にいるエンドユーザーに対して行われるということについては皆様もご同意いただけるのかなと思います。
一方、支援先の事業者とエンドユーザーの「価値提供までの距離」は、その事業者ごとに違いがあるなと常々考えております。
本稿ではそうした事業者とエンドユーザーとの距離を捉えるため、事業者という法人をどう理解すればよいか考えてみようと思います。
HCDのプロセスにおける顧客理解の取り組みとして、インタビューや行動観察などを駆使することは言わずもがなというものかと思います。BtoBにおいてそれに代わる取り組みとしては、商談活動となることでしょう。
そしてこの商談活動において最も重要なのは、顧客ドメインの理解とエンドユーザーの理解、そしてステークホルダーにとって提供したい価値の理解だと考えています。
これら理解すべき内容をまとめたものを法人と呼び、人間中心設計のプロセスにおけるユーザーとして向き合うべきだと思っています。
通常の営業プロセスではリードに対し要求を受け、要件と見積もりを提示することで取引を成立させていくという流れを取ります。
我々の取り組みもおおよそ違いがある訳ではありませんが、特に注力しているのは
・要求の背景と真意を理解すること
・その先のエンドユーザーにとっての価値を想像すること
の二点です。
前者は相対している担当者とその決裁者などステークホルダーの理解であり、ドメインの理解であると言い換えることができるでしょう。
また、エンドユーザーの理解を深められる機会について担当者とのやり取りの中で得られることも少なからずあります。もちろん支援先の現場を訪れることで触れ合う機会を得られます。
こうした取り組みに対しHCDのサイクルを活かすことで、より深い理解を得ることができます。
そして何より大切なのは目の前にいる相手を尊重し、丁寧に向き合うことだと思います。誰にとっての価値なのか。そうした姿勢が、事業を進める上で大切なのだと確信しています。