HCDコラム

HCDやUXデザインは、広範囲なデザインプロセスのため学ぶべき分野が多いです。概念や方法論などの知識を吸収して、それを実践の場で施策を行います。実践したことで、知識に経験則を上乗せして、実践の場で通用する形に進化させていきます。このようにして、インプットとアウトプットを繰り返すことが、HCD専門家に求められていることはみなさんご承知の通りだと思います。

私がインプットの一番最初の段階で頻繁に活用しているのは、電子書籍です。電子書籍と紙の本は使い分けはしているものの、何回も読むことになる本はなるべく電子書籍で買うようにしています。電子書籍の何が一番良いかと言うと、PCやスマホなどの機器と親和性が良い面です。また、書籍以外だと講義に参加して知識を得ていきます。この書籍や講義によって得られる知識が、インプットの第一段階です。

次に、そこで得られる知識というのは、自分にとってはそのまま実践するには少し心許ない知識です。その知識をもう一段深く、使いやすくするために、私はnotionというドキュメント編集ができるツールを使います。notionでは、自分で例えば概念や方法論などの記事を自分なりにまとめて書いていきます。すぐ使える形にしておくことで、いつでも施策が出来る状態にしておきます。私にとってはこれもアウトプットの一部です。

組織・事業・顧客の事情により、HCDの施策をどこまで出来るか異なります。実際の仕事現場では限られた実践機会しかないこともあります。

HCDをいかに組織に導入するかについて、最近ではHCD-Netが委員会として運営している「HCD導入パターン委員会」に入り、組織導入で起こりがちな問題をパターン・ランゲージ手法を用いることでパターン化してHCD / UXDの組織導入の推進者がそれを見て、壁を乗り越えていけるような取り組みに参加させていただいております。

HCD-NetでHCD組織導入に係るノウハウを形式知化した資料「HCD導入パターン」の初版が公開されております。私は公開に至る過程には関わっておりませんが、興味のお有りな方は、そちらをご覧いただけたらと思います。

最終的に私が伝えたいこと、それは実践の機会が無くても来るべき時に備えておくことの大事さです。これからもインプット・アウトプットバランスを意識していきたいと思います。


HCD-Netで人間中心設計を学ぶ

HCD-Net(人間中心設計推進機構)は、日本で唯一のHCDに特化した団体です。HCDに関する様々な知識や方法を適切に提供し、多くの人々が便利に快適に暮らせる社会づくりに貢献することを目指します。

HCDに関する教育活動として、講演会、セミナー、ワークショップの開催、 HCDやユーザビリティの学習に適した教科書・参考書の刊行などを行っています。