HCDコラム

2024年11月22日(金)、一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)が主催するEdgeTech+2024のテーマ別セミナー「仮説検証ブートキャンプ【企画プレゼンテーション】」がパシフィコ横浜で開催されました。この仮説検証ブートキャンプは、HCD-NetとHCS共創機構が共催し、今年8月から約4か月間にわたり取り組んできた活動の成果を発表する場として位置付けられています。

仮説検証ブートキャンプには、17社から59名の方が参加しました。参加者の多くは所属組織でシステム開発に携わるエンジニアで、8月から9月にかけてオンデマンドセミナーを受講し、その後「仮説検証ブートキャンプ検定」(HCD基礎検定)を受験。全員が無事に合格しました。その基礎知識を活かし、参加者は10チームに分かれて3回にわたるフィールドワークとワークショップを実施。活動中は、ビジネス支援事業部のメンバーを中心とした認定専門家がファシリテーターとして各チームに伴走し、支援を行いました。

フィールドワーク&ワークショップでは、「災害発生時には、デジタル嫌い又は苦手な人にITでどんな価値を提供できるか」という課題を設定。仮説検証のアプローチとして、人間中心デザインのメソッド(利用者視点、共創、新しい価値、問題の設定/発見、解決策の探求/創造、繰り返すこと)を体験・学習すべく、ペルソナ策定→インタビュー体験→ストーリーボード作成→アクティングアウトという流れで活動を展開しました。各チーム個別に対面の他にもオンラインミーティングなどを設定して仮説と検証を繰り返しながら、それぞれのソリューションを練り上げていきました。

企画プレゼンテーション当日、各チームは会場に集合するとすぐにアクティングアウトの最終リハーサルを繰り返し、本番に備えました。会場はほぼ満席となり、エリア外で立ち見する人の姿も見られる盛況ぶりで、チームメンバーは緊張しながらも、アクティングアウト形式のプレゼンテーションを楽しんでいる様子でした。10チームそれぞれが特色あるアクティングアウトを披露し、6名の審査員から的確なコメントをいただき、参加者も納得の表情を見せていました。

企画プレゼンテーションでは、以下の賞が授与されました。
・最優秀賞:進め!Go-Getters!「もしものとき情報で大切な人を守るUnite(ユナイト)」
・優秀賞:ドローン・エイド「ドローン・エイド~ドローンによる災害支援システム~」
     理想のスイッチ企画チーム「集合スイッチ~簡単操作でつなぐ、家族の今ここ~」
・HCDファシリテーター賞:ねりまもりん「地域お助け「守鈴」(まもりん)」
・オーディエンス賞:ひまわり組「大切な人の今がわかり、次の動きを提案してくれるヒマワリナビゲータ」
さらに、参加者全員に各種デジタルバッジも提供されました。

イベント終了後に行われた懇親会では、受賞チームの健闘をたたえながら3か月の活動を振り返る"思い出話"に花が咲き、参加者からは、リサーチから始めたい、中間発表の機会が欲しかった、今回の体験を業務に活かすには?などのご意見・ご質問もあり、今後のサポートへの期待も感じられました。

仮説検証ブートキャンプは今回が第1回目の開催ですが、来年以降も継続開催を予定しています。次回は、ビジネス支援事業部に限らず、より多くの方々にご参加いただける内容を目指しますのでぜひご期待ください。


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