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東京では、最近はとバスのツアーの人気が高くなっているとの話がありますが、自分自身も何度か参加したバスツアーの体験デザインについて考えてみたいと思います。
国内旅行の目的として、ある調査で上位にあがっているのは「温泉」、「グルメ」、「特産品購入」でした。ここで「温泉」は場所・施設に依存するものなので、「グルメ」、「特産品購入」に関する体験について考えてみます。バスツアーでの「グルメ」は、都会のレストランでの体験とは異なり、バスでの移動過 程、どのような場所でいただくかが参加者の評価を左右します。参加者の満足度を高めるために、食事に関して、「現地ならではの素材・料理であること」の事 前情報の提供、「現地で求められるものの用意」に対する配慮が求められます。例えば、お弁当を配布して公園でいただく場合でも、旬の素材や土地の美味しい ものが使用されていることを旅行の案内で大々的に告知し、現地では、どこでお弁当を広げると良いかなどの情報を適切に案内すると満足度は向上します。また 「特産品」「お土産」は、旅行という非日常的なシーンなので、ついつい購入してしまうものですが、多くのバスツアーで立ち寄るお店では、「製造工程などを 見学してもらう」、「弁舌に長けたお店の方による、バスツアー参加者だけのスペシャル価格の販売であることのトーク」が体験のポイントになります。こうした特産品・お土産の原価・利益率がいかほどかは分かりませんが、参加者に納得感と満足感を抱かせる体験デザインだと考えます。
バスツアーは、ツアーを探索して申し込みしてから、当日は集合してバスの移動、さらに観光・食事を楽しんで解散するという一連の時空間を共有する体験、さ らにはそれぞれのタッチポイントでのインタラクションをデザインし、そのデザインの良し悪しがアンケートや申し込み状況からフィードバックされるサイクル が確立された、興味深いデザイン対象であると感じています。