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2015年も12月に入り、残すところあと僅かになりました。会員の皆さまに置かれましては充実した1年をお過ごしされたこととお喜び申し上げます。HCD-Netの研究事業部も皆さまのご協力のお陰を持ちまして、2回の研究発表会、論文誌としての機構誌の発行に加え、責任編集委員に伊藤潤氏を迎え、機構誌との合冊ですが機関誌としての「HCDジャーナル」を創刊することができ、充実した活動を行えたと自負しております。
HCD-Netは日本学術会議の協力学術研究団体に登録することを目指しております。そのためには論文誌を継続的に年1回以上発行していることが求められます。この条件を満たすための機構誌創刊以来の悩みとして、投稿論文数の確保があります。研究発表会との同時投稿制度(投稿料の免除)を設けたことにより、現在はお陰様で何とか投稿論文数が確保でき、継続的な機構誌への論文掲載ができています。それでもまだまだ安定した論文数が確保できているとは言えません。今までに論文投稿を経験されたことが無く、躊躇している会員の皆さまに置かれましても是非論文投稿にチャレンジしていただくようお願いいたします。
これから論文の投稿にチャレンジしたいと考えている会員の皆さまの参考に、投稿論文の審査に際して査読者、編集委員会が重要視している一般的なポイントについて述べさせていただきます。一般的に投稿論文には新規性、有用性、信頼性(客観性)が求められます。論文の新しさやオリジナリティを説明できていること(新規性)、論文がどのように役に立つかを説明できていること(有用性)、論文を読んで第3者が同じ方法で調査や実験を行った場合、結果が再現されると期待できること(信頼性(客観性))の3点が満たされていることが重要です。具体的には、新規性とは、問題領域、問題設定、知見(発見)、理論、方法論、評価法等の提案、機器・システム開発のいずれかに新しさがあることが示されていることです。有用性とは学術、技術、社会的ニーズに答えている、研究および設計・開発に有効なデータが示されている、波及効果、啓発効果がある、既存の知見や理論および方法の体系化がなされている、実用化、改良、改善上の成果がある、のいずれかが満たされていることです。信頼性(客観性)とは、内容に誤りや矛盾がない、論旨の展開が明確である、研究目的が明確に記述されている、関連研究の引用等に基づき、論文の位置づけがなされている、実験や調査が含まれる論文では実験方法、調査方法が分かりやすく明確に記述されている、結果や知見が明確に記述されている、誤字・脱字・意味不明な文章がない、論文としての体裁をなしている、の全てが満たされていることです。査読者はこれらの3つの視点から論文を拝読し、これらの視点を十分に満足できているか否かを判断し、十分に満足できていない、あるいは判断できない点がある場合は、修正依頼や照会を行います。著者には、修正依頼事項や照会事項がある場合には、これらの事項にご対応いただくことにより、より良い論文に仕上げていただきます。一般に投稿論文は玉石混淆となりますが、HCD-Netでは、査読者、編集委員会は、石を拾っても玉を捨てることはないようにという精神で論文の審査を行っております。是非ご自身の研究・開発成果,業務成果を論文にお纏めいただき、ご投稿いただけます様よろしくお願いいたします。