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HCDの基本はユーザーをみることだ。誰の・何を・どのようにみるかはプロジェクトによるが、日頃からいろいろ問いを持って「みる」ことが鍛錬になるかと思う。ヒト以外もみてみてはどうだろう。
以前、私はフェレット(イタチ、カワウソの仲間)と暮らしていた。
フェレットはこんなことをする。
- 上にあるものは下に落とす
- 縦のものは横にする
- 食べ物でないものも口にする > 腸閉塞に注意
- 狭いところに入り込む > 出られなくなることしばしば
- 高いところに登る > 降りられなくなることしばしば
…etc.
これって二歳児の行動じゃない? 哺乳類って同じじゃないか、と思うわけである。
ヒューマンセンタードだからとヒトだけ見ているより、他の生き物をみたほうが却って本質に気づきやすい場合がある、というのが私の持論である。
UIの作り方にはざっくり分けて2つある。
方針A:ユーザーのメンタルモデルに沿ってつくる
方針B:そのUIに触れたらメンタルモデルの変更を起こせるようなUIをつくる
例えば、「一回やればわかるよね」的なUIは、Bのタイプである。
作り手の都合でなんでもかんでもBをやりがちであるが、「そもそも哺乳類って…」という認識に立つとBを頑張るより、Aを頑張ったほうがお互い幸せ、という分岐点も見えてくる。
ちなみに、フェレットは犬ほどお利口ではないので、躾でどうなるものでもなく、彼らとの生活では方針Aをとるのが基本だ(メンタルモデルを「特性」と読み替え)。上記はすべて起こりうることとして、環境を整備し対策する(=システムを設計する)ということになる。…それでも彼らは次々と新しいいたずらを開発するので、目が離せない。これが本当のイタチごっこ(=繰り返し設計?)。
ご安心あれ、設計側のユーザー理解が深まり熟練度が上がると、UXも上がります(=お互い楽しく暮らせる)。