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講評の抜粋
- 組織に根付かせる動きとしてはかなりシステマティックに設計されている。ただ、これによりアウトプットがどう変わってきているかまで知りたかった。
- 行動から変えていくという考え方がすばらしい。
- 研修だけにとどまらないことがいい。
実践内容
技術指向で⻑年開発プロセスを熟成してきた組織に、HCDのプロセスや視点、思考・⾏動特性を浸透させるのは難しい。トップダウンやボトムアップのアプローチのみでは組織⽂化の変容が困難な中、この事例では、研修と研修終了後の⽀援施策を提供することで、⼈財育成と組織変⾰の両⾯にアプローチした。
研修の場や、研修外(プロジェクト活動等)の場で、受講⽣や周囲の⼈の発話・⾏動をエスノグラフィ的に観察、分析することで、研修プログラムを改善したり、「組織におけるUX浸透の阻害要因」を⾒出して施策を検討するなど、プログラムの開発と改善にHCDの⼿法を取り⼊れた事例となっている。
プログラムや施策の分析と改善・検討を1期⽣から4期⽣まで繰り返し実施(HCDプロセスを繰り返し実施)しているのも、この事例の特徴である。
専⾨家としての評価
⼈財の育成と組織変⾰を促すプログラムが、HCDプロセスでデザインされており、その検証、修正が、受講⽣や所属組織の観察に基づいて、HCDプロセスのサイクルを繰り返し実施することで実現している。
また、育成プログラム(研修と⽀援)を通じて、HCD⼈財の育成と、組織変⾰を促している事例であり、この波及により、企業組織へのHCD浸透というテーマにおいて、HCDのさらなる普及促進が期待される。