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HCD-Net教育事業部からの推薦で、5月のHCD-Netフォーラムでご紹介致しました「HCD-Net教育プログラムワーキンググループ」の取り組みを、IEA2015にて発表致しましたのでご報告致します。
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発表資料を掲載いたします。ご参考ください。
発表資料:201508 HCD-Net EduWG-web.pdf
</form>発表タイトル:
「Framework of Education to Promote HCD among Organizations
- HCD-Net Educational Program Working Group’s Approach -」
会議名:IEA2015 http://iea2015.org
会期:2015年8月9日(日)〜14日(土)
場所:オーストラリア メルボルン
The Melbourne Convention & Exhibition Centre
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IEA2015は、国際人間工学連合(IEA=International Ergonomics Association)が主催する、3年毎に開催される人間工学に関する国際会議です。1961年に初めてストックホルムで開催されてから、19回目という歴史ある会議です。IEAには、世界各地域から約50学会がメンバーとして参加しており、途上国支援をはじめとした人間工学を社会に役立てるための活動を行っています。日本では、日本人間工学会が、1965年に加盟しています。
※本レポートでは、HCDと人間工学の関係についての説明は割愛します。この2015年9月11日(金)に第5回人間中心設計の基礎セミナーにて「人間工学と認知心理学とデザイン(講師:黒須先生)」が開催されます。興味のある方はこのセミナーを受講頂けますと体系的に学ぶことが出来ます。
<人間中心設計の基礎セミナーのご案内>
https://www.hcdnet.org/event/6_2.php
◆発表の経緯
IEAからHCD-Netへ、専門家制度の裾野を広げる普及推進活動の取り組み参考として発表依頼がありました。5月にHCD-Netフォーラムにて発表しましたHCD-Net教育プログラムWG(ワーキンググループ)の取り組み内容が適当であるとのことで、当WGの活動について発表する運びとなりました。
◆セッション概要
HCD-Net教育プログラムワーキンググループが発表を行いましたセッションでのディスカッションについて報告します。
日時:2015.08.11 (火) 12:45~16:15
名称:International cooperation
of certification accreditation professional ergonomists
このセッションでは、人間工学に関する認定制度を持つ11カ国の組織・団体から専門家の認定に関する推進活動とその状況について報告及びディスカッションが行われました。
本セッションは、日本人間工学会が主導して開催されたものです。
各国から報告された内容は2つの傾向があるように感じました。
タイプA:認定制度とその取得のための教育システムとその課題の報告
タイプB:認知・普及推進の課題とその背景についての報告
タイプAからは、日本を含むアメリカ、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリアなど人間工学に関する取り組みに歴史のある国で、専門家教育プログラムや推進の仕組みに多くの知見を持っています。その中でも、教育に関する取り組みが進んでいると思われるのは、BCPE(米)で、プロフェッショナル認定を取得するための大学と連携した公認HFEプログラムやメンタープログラムが用意されています。
タイプBからは、新興国など取り組み期間の浅い国が多く、とにかく専門家の人数が少ないことや推進活動の困難さが報告されました。
当WGからは、HCD(人間中心設計)の普及・推進に向けて、実践現場で抽出した課題から実践への適用に関するフレームワークづくりを目標とした活動の背景と取り組み内容、これからの計画について報告致しました。
11カ国のプレゼン後に行われたディスカッションでは、先進的な取り組みを行っているBCPEをモデルとして、各国の仕組みを整備してはどうか?という提案とその対応について議論が行われました。取り組みに課題を多く抱えている米国以外の国々からは、背景や課題が異なるため、BCPEのシステムをそのまま適用することは難しく、まずは各国の事情を共有して議論することが重要であるという意見が交わされました。
また、タイプA、Bともに裾野を広げる必要性について課題が挙げられていました。しかし、報告された、教育に関する取り組みは、あくまでプロフェッショナルを目指している人たちが対象であり、私たちHCD-Net教育プログラムWGが対象としている、必ずしも専門家を目指していない人々(興味があり少し学んでみたい人、課題を解決したいだけといった人)を対象とした報告はありませんでした。
実践の場で、目の前に課題を抱えている人がHCDを活用するためには、必ずしも時間をかけて知識やスキル全体を体系的に学ぶ必要はなく、断片的にでも実プロジェクトの中にHCDの考え方を取り込み、問題解決をすることが重要となります。また、裾野を広げるためには、必ずしも専門家になる意思が明確でない人たちにも効果を訴求する必要があります。
当WGでは、実践の場から得られた課題の解決を目標として、実プロジェクトの事例から評価を行い、教育の枠組みを検討してきました。
このような当WGの取り組みは、世界でも先進的な取り組みであるし、また、取り組みがこれからという専門家が少ない国における推進活動の参考としても良いケーススタディとなると感じました。
実際、セッションオーナーであり、専門家の少ないことが課題となっているブラジルのJose Orlando Gomesさんからも、大変参考になるプレゼンをありがとうとのお言葉をいただきました。
◆参考:各国の発表タイトル
1 オーストラリアHFESA
「Development and Review of the Maintenance of Certification program for HFESA」発表者:Trudy Tilbury
2 アメリカ BCPE
「New Core Competencies for BCPE Certification in USA」
発表者:Carol Stuart-Buttle
3 ブラジル
「Ten years of experience on ergonomics certification」
発表者:Jose Orlando Gomes(ブラジル)
4 カナダ
「Canadian Educational Requirements for Ergonomics Certification」
発表者:Jim Potvin()
5 ヨーロッパ
「The Centre for Registration of European Ergonomists CREE」
Bernard Dugue
6 日本
「The role of certified professional ergonomist and the positioning in industry in Japan」
Shin-ichi Fukuzumi
「Framework of Education to Promote HCD in Organizations — The Approach of the HCD-Net Educational Program Working Group」
Hiroko Yasu
7 インド
「Certification for Practicing Ergonomist –Quest for Global Standards」
Venkatesh Balasubramanian
8 メキシコ
「Certification process in Mexico」Enrique de la Vega
9 南アフリカ
「Establishment of professional certification in Ergonomics in an industrially developing country」Matthias Goebel
10 ニュージーランド
「Human Factors/Ergonomics Certification in New Zealand – 2015」Marion Edwin
以上
2015.08.26
日本電気株式会社
安 浩子
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