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「ET 2019 / IoT Technology 2019(2019年11月22日 10時~12時30分 パシフィコ横浜 会議センター)」に於いて、HCD-NetとCCDS※1共催のスペシャルセッションセミナーを開催しました。
会場には、80名を超える熱心な聴講者が集まり、4人の登壇者の講演に耳を傾けてくださいました。終了後のアンケート結果からは、95%を超える共感(理解度)の声を頂き、本講演の意図を理解いただけるコメントを寄せて頂きました。いくつかを下記にご紹介させて頂きます。
○ 4人の講演者の方が一貫した発表されていて、分かりやすかったしすごいと感じた。
○ チームビルディングの課題とその解決につながる話が聞けてとても参考になった。カードチーム形式で自己理解、他者理解、相互理解→イノベーションは、大変有意義だと感じた。
○ ふだん聞かないタイプの講演でした。とても自身の見方が変わるような新しい気付きの多い良い講演でした。
開催概要はこちらをご覧ください。
http://www.jasa.or.jp/expo/conference2019/confpage-c03.html
■セッションの狙い
IoT品質を高めるため、多様な専門性を生かしたチームビルディングを成立させ、専門家同士の相互理解を対話により引き出し、開発チーム内での役割の確認や課題意識の共有を簡便に、安心して行えるよう、カードゲーム形式で体験・理解できる仕組みを開発しました。こうした概念や取り組み方、意識向上等の可能性を議論するため、セキュリティシステム開発において重要な3つの専門領域「USB(Usability、Security、Business)」をバランスよく推進させるカードゲームをワークショップのデモ形式でご紹介しました。
■登壇者
白坂成功教授(慶應義塾大学※2)からは、「デザイン思考×システム思考」という概念、および、IoT社会のシステムアーキテクチャについて解説を頂き、専門家がバイアス(専門領域の知識、知見による先入観や偏見)の影響を受けないようにする取り組み方として、多様な専門性によるチームビルディングの必要性についてお話を頂きました。
荻野 司 代表理事(CCDS)からは、団体設立時よりセキュリティ技術を補完するユーザビリティの重要性を見抜き、検討WGの設置を承認された経緯や、セキュリティ製品市場が、生活者の視点、セキュリティ技術、市場の形成があって初めて成立するビジネス領域であること、また、専門性の異なるステークホルダーが開発の目標値、意思決定ラインをどこに定めるかについて等、メーカーの立場、ユーザーの立場の違いを考える視点を解説されました。
篠原稔和 HCD-Net理事長(ソシオメディア株式会社 代表取締役社長)からは、IoT社会のシステムアーキテクチャーという大きな視野を受けて、デザインマネジメントの流れから、組織デザイン、マインドセットの重要性を説明され、一例として、本セッションで初披露となった「USBモデルの概要」を紹介頂きました。
最後に、大橋 正司 取締役(モニカ株式会社)から、「USBモデル」を議論してきたHCD-Netビジネス支援事業部セキュアUI-WGでの取り組み、具体的に研究開発された成果について説明して頂きました。
ビジネスカードゲームの価値、利活用シーン/効能等の具体事例として、ビデオ映像により、USBモデルカードゲーム「モリス」が紹介されました。
尚、2019年12月3日には、本セッションの実践版として「多職種チームビルディングツール、「USBモデル」実践カードゲーム体験ワークショップ」が実施されました。
https://www.hcdnet.org/hcd/event/entry-1389.html
2020年度にも、継続してワークショップが計画されていますので、ご興味がある方は、是非ご参加を頂きますよう、関係者一同、心よりお待ち申し上げます。
※1 CCDS 一般社団法人 重要生活機器連携セキュリティ協議会
※2 白坂成功教授
慶應義塾大学 大学院 システムデザイン・マネジメント研究科