セミナー・サロン

12月24日(火)、ワイム貸会議室市ヶ谷 にて『ユーザーによる評価 ~コンセプト検証~』を開催しました。
この講座は昨年度の『HCDによる成果物の評価・概論』から再編し、利用状況やニーズなどユーザーによるコンセプト評価に絞った内容です。
クリスマスイブの開催でしたが、ウェブサービス、メーカーを問わず、エンジニア、デザイナー、商品企画や営業系などいろいろな立場の大勢の方に参加いただきました。

まず、伊藤泰久さんからHCD専門家コンピタンス「ユーザーによる評価」の全体像の説明があり、その中でのコンセプト評価について解説いただきました。
次に、坂口和敏さんからサービスデザインにおけるコンセプトの検証(verification)と妥当性確認(validation)という視点からの解説及び事例紹介をしていただきました。
全体質疑では、参加者にポストイットに書いていただいた感想や質問を元に、講師お二人の知見などどを語っていただきました。

参加者のみなさんは、コンセプトまわりの評価について、悩みながら実践しようとしている方々が多かったようです。ドメインや対象サービスによって評価対象の粒度もやりかたも違うなど幅がとても広く、体系的な説明に目を開かれる一方、実際にどう進めるのか掴みきれないところもあったようです。アンケートなどの声を受けて、今後のセミナー企画に反映させていきたいと思います。



概要

HCD-Netでは、HCDの専門家であれば知っておくべき基礎知識の講座を開催しています。
本講座は、HCD専門家コンピタンス「ユーザーによる評価」のうちのコンセプトなどをユーザーに評価してもらう場合に考慮すべきことに関するものです。昨年度の「HCDによる成果物の評価・概論」の中の「ユーザーによるコンセプト評価」を中心としたものになります。

HCD活動では、開発の各フェーズでの中間成果物を「ユーザーまたはユーザーを代表する人」で検証して、次のフェーズへ渡すことが求められています。その際、次のようなことを意識する必要があります。
・そのフェーズで検証したいこと(目的)は何か?
・目的に合った評価対象(プロトタイプ)になっているか?
・目的に合った手法、実施上の工夫をしているか?
・本来調べるべき人たちで調べているか?
・調べるにあたって、人間の身体的・心理的特徴が十分考慮されてるか?

本講座では、主に企画や開発の初期段階を対象として、コンセプトや初期プロトタイプに関する評価について扱います。座学で知識の概要をお伝えするものなので、この講座だけで評価設計・実施ができるものではありません。実践には、ビジネスの状況や目的によって、いろいろなアレンジが必要になってきます。「HCD専門家」として応用力を発揮するためには、ユーザーに評価してもらう手法のカタチだけではなく基盤となる知識を備えている必要があります。基本を見直したいという方も是非、参加してください。

対象者:
・これからHCD専門家・HCDスペシャリストになりたい人
・すでにHCD専門家・HCDスペシャリストで、守備範囲を広げたい人・学び直しをしたい人

■日時:2019年12月24日(火)14:00~17:00(受付開始:13:30~)

■場所:ワイム貸会議室市ヶ谷
東京都新宿区市谷本村町3-26 ホワイトレジデンス1F
http://waim-group.co.jp/space/ichigaya/index.html#access

■定員:40名

■参加費:
HCD-Net正会員/賛助会員:5,000円
HCD-Net学生会員:3,000円
一般:10,000円
一般学生:5,000円

■対象コンピタンス:
A1:調査・評価設計能力
A12:ユーザーによる評価実施能力
人間中心設計(HCD)コンピタンスマップ 2019年版(HCD-Net)
https://drive.google.com/file/d/102tC6DZu7YFogf0swmgian6_xniQhqsF/view

■参考:
HCDライブラリー『人間中心設計の基礎』黒須、近代科学社、2013
HCDライブラリー『人間中心設計における評価』黒須他、近代科学社、2019

プログラム

1.概要紹介  
2.講義「ユーザーによるコンセプト評価」(講師:伊藤泰久氏)
3.休憩 ・交流タイム
4.講義「サービスデザインにおけるコンセプト検証と妥当性確認」 (講師:坂口和敏氏)
5.全体質疑・ディスカッション

講師

伊藤 泰久氏(オムロン エキスパートリンク株式会社)
2000年より製品やサービスのユーザビリティ・UXの評価、企画および開発支援に携わる。研究領域では、製品やサービスの社会的インパクトの評価にも取り組み中。HCD-Netでは、初心者セミナーやエキスパートレビューのセミナー講師を歴任。HCD-Net認定 人間中心設計専門家、日本評価学会認定 評価士

坂口 和敏氏(富士通デザイン株式会社)
空間デザインやソリューションデザインを経て、2011年からイノベーションデザインを担当し、共創デザインプロセスの開発に従事。現在は新規事業創出、事業改革、ワークスタイル変革を目的としたサービスデザインを担当。富士通デザイン株式会社 デザイン・ディレクター/一級建築士。九州大学大学院・筑波大学大学院 非常勤講師。


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