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本講座は、今年度は3回(9/2、9/9、9/16)に分けてオンラインで「専門知識による評価」と「ユーザーによる評価」について開催しました。
講師には、伊藤泰久氏、人見幸香氏、樽本徹也氏をお迎えし、評価について基礎から応用に至るまでの内容を幅広くお話頂きました。
9/2開催の回では、講師の伊藤さんより「専門知識による評価」の講義がありました。
内容は、主にインスペクション法に関することで、インスペクション法の全体像、エキスパートレビューの実際、エキスパートレビュー実施における課題について解説頂きました。
インスペクション法の代表的な4つの手法についてそれぞれについて解説頂きました。
また評価で抽出した問題点の重要度判定について解説がありました。
9/9開催の回では、講師の人見さんより「ユーザビリティテストの基本」の講義がありました。
内容は、ユーザーを用いた評価に関することで、計画~実施、分析に至るまでの一連の流れについて解説頂きました。
この評価法は、自分たちでは気づかなかった問題点を発見できたり、ユーザーの迷いを開発関係者と共有することでユーザーの理解を共有し、問題点を認識できるなどがあげられます。
操作中のユーザーの言動を観察して問題点を抽出するのが有効的であるとのお話がありました。
発見した問題点は、ユーザービリティガイドラインを用いて分類すると、改善策のヒントにもなるとのお話がありました。
9/16開催の回では、講師の樽本さんより、「ユーザビリティテストの応用」の講義がありました。
内容は、ユーザーを用いた評価の応用に関することで、ユーザーによる評価のバリエーション、ユーザビリティテストの歴史やリーン/アジャイルな環境に適応したテスト手法について解説頂きました。。
DIY方式、RITEメソッド、リモートUXリサーチについて歴史的な背景からそれぞれの手法について解説いただき、特にリモートUXリサーチについては、コロナ禍である現在、注目された内容だったのではなかったでしょうか。
本講座では、新しい知見を得るというよりは、足元を見直すための知識・ノウハウの提供の講座でした。
これから専門家としてやっていきたい方はもちろん、現専門家の方も、基本の見直しができたのではないでしょうか。
各回の質疑応答では、参加者より様々な質問が挙がり、講師から時間が限られる中、一つひとつ丁寧に回答頂きました。
質問者から「より理解できました」といった反応を頂きました。
また受講後アンケートでは、講義の理解度は、多くの方が“理解できた、やや理解できた”と回答。また、役立ち度に関しても、多くの方が“役立つ、やや役立つ”と回答頂きました。
一方で具体的な実践事例の紹介があるとよかったなどの意見もあり、いただいた声を今後の参考として、HCD-Net教育事業部では、講師諸氏と内容を練っていきたいと思います。
今後も、何か気付きがありましたら、ぜひアンケートなどでお知らせください。
概要
HCD-Netでは、HCDの専門家であれば知っておくべき基礎知識の講座を開催しています。
本講座は、HCD専門家コンピタンス「ユーザーによる評価」「専門知識に基づく評価」に関するものです。今年度は3回に分けてオンラインで開催します。
HCD活動が広まっていくとフォーマットや手法が整備され、経験的に誰でも活動ができるようになっていきます。しかし、世の中は急速に動いており、ユーザー自身、サービスや製品の対象領域、さらに社会環境も変化していくため、HCD活動も柔軟に変化に対応していく必要があります。「HCD専門家」として応用力を発揮するためには、「手法」のカタチだけではなく基盤となる知識を備えている必要があります。
本講座では、新しい知見を得るというよりは、足元を見直すための知識・ノウハウを提供します。特定の回だけの参加も可能です。
これから専門家としてやっていきたい方はもちろん、基本を見直したい方も是非、参加してください。
対象者:
・これからHCD専門家・HCDスペシャリストになりたい人
・すでにHCD専門家・HCDスペシャリストで、守備範囲を広げたい人・学び直しをしたい人
(HCDに関してある程度知識のある方が対象です)
■日時:2020年9月2日(水)、9日(水)、16日(水)
各日19:00-20:30(18:50より入室可能)
■会場:Zoomによるオンライン開催
*セミナー後、録画視聴可
*参加申込者に期間限定(1週間)、録画したものをストリーミング配信します。
■参加費:
1回チケット:会員 ¥3,000、一般、¥6,000、会員学生、¥1,000、一般学生 ¥3,000
3回一括チケット:会員 ¥7,000、一般、¥15,000
■対象コンピタンス:
A1:調査・評価設計能力
A12:ユーザーによる評価実施能力
A13:専門知識に基づく評価実施能力
人間中心設計(HCD)コンピタンスマップ 2019年版(HCD-Net)
https://drive.google.com/file/d/102tC6DZu7YFogf0swmgian6_xniQhqsF/view
■参考:
HCDライブラリー『人間中心設計の基礎』黒須、近代科学社、2013
HCDライブラリー『人間中心設計における評価』黒須他、近代科学社、2019
『ユーザビリティエンジニアリング 第2版』樽本、オーム社、2014
『ユーザビリティエンジニアリング原論 第2版』ニールセン、東京電機大学出版局、2002
2019年度の様子:https://www.hcdnet.org/hcd/event/entry-1337.html
プログラム
事前学習「HCDにおける「評価」の全体像」
*指定した動画を視聴
第1回:2020年9月2日(水)
「専門知識による評価」
講師:伊藤泰久氏
インスペクション法に関するもの
・インスペクション法の全体像
・エキスパートレビューの実際
・エキスパートレビュー実施における課題
第2回:2020年9月9日(水)
「ユーザビリティテストの基本」
講師:人見幸香氏
オーソドックスな思考発話法に関するもの
・ユーザビリティテストの計画
・ユーザビリティテストの実施
・問題点の抽出と分析
第3回:2020年9月16日(水)
「ユーザビリティテストの応用編」
講師:樽本徹也氏
ユーザーによる評価のバリエーションに関するもの
・ユーザビリティテストの歴史
・リーン/アジャイルな環境に適応したテスト手法(DIY方式、RITEメソッド、リモートUXリサーチ)
*質疑は、zoomウェビナーのQ&A機能を利用し、質問はテキストで入力していただく形で行う予定です。
講師
伊藤 泰久氏(オムロン エキスパートリンク株式会社)
2000年より製品やサービスのユーザビリティ・UXの評価、企画および開発支援に携わる。研究領域では、製品やサービスの社会的インパクトの評価にも取り組み中。HCD-Netでは、初心者セミナーやエキスパートレビューのセミナー講師を歴任。HCD-Net認定 人間中心設計専門家、日本評価学会認定 評価士。
人見 幸香氏
2005年多摩美術大学美術学部情報デザイン学科卒業、前・(株)インターソフト。主に事務機器、医療機器などの組込み系製品、業務システムのユーザビリティ評価、UIデザイン業務、HCD関連業務に従事。HCD-Net認定 人間中心設計専門家。
樽本 徹也氏(利用品質ラボ)
UXリサーチャー/ユーザビリティエンジニア。ユーザビリティ工学が専門で特にユーザー調査とユーザビリティ評価の実務経験が豊富。現在はUXコンサルタントとして幅広い製品やサービスの開発に携わっている。主な著書(共著含む)『アジャイル・ユーザビリティ』『ユーザビリティエンジニアリング』『UXリサーチの道具箱』『人間中心設計における評価』。コンファレンス、セミナーなど多数登壇。HCD-Net認定 人間中心設計専門家。