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10月20日(水)、「エキスパートレビュー演習~ユーザビリティの専門知識に基づく評価を学ぶ~ 」をオンラインにて開催しました。
まず伊藤泰久氏より、HCDにおける「評価」の概要や、エキスパートレビューの実施方法などについて講義いただきました。
次に、三樹弘之氏から「専門知識に基づく評価・概論」と題して、「JIS Z 8520 インタラクションの原則」の旧規格からの変更点や、各項目の詳細について解説いただき、エキスパートレビューの観点を学びました。
座学の後は、miroでのオンラインワークショップを実施しました。
テーブルファシリテーターを含む7,8名のグループに分かれて、想定題材(Webサイト)に対してエキスパートレビューを行う実習に取り組みました。
参加者からは「インタラクション原則の切り口が新鮮だった」、「最近のJISに関する情報を得られ、さらに手を動かすことができて有意義だった」などの声をいただきました。
また、「実際に使えるようにするにはもう少し勉強して理解しておく必要があると思いました」とのご意見もあり、実践をおこなったことが前提知識を理解しておくことの必要性への気付きにもつながったように思います。
平日日中の開催にも関わらず30名近くの方にご参加いただき、HCDやインスペクションに対する関心の高さを感じることができました。今後も座学と実践形式を交えたワークショップを企画していきたいと思います。
HCD-Netでは、HCDの専門家であれば知っておくべき基礎知識の講座を開催しています。
今年度は、他では学習機会が少ない「専門知識に基づく評価」にフォーカスした座学と演習をオンラインで実施します。
ユーザビリティ評価の中でもユーザビリティ・インスペクションといわれる分野で、人の認知や身体のしくみの知識や、経験則に基づいて、仕様の改善すべき点を見つけていく手法です。評価手法ではありますが、裏返せば設計の時のガイドラインとなります。本講座では、エキスパートレビューについて、演習形式で学びます。ユーザビリティの専門家が、人間特性など様々な知識や経験に基づき、対象のユーザーの行動を想定しながら評価を行う方法です。この演習では、専門知識のよりどころとして「JIS
Z8520:インタラクションの原則」を援用します。
■開催日時:2021年10月20日(水)13:30~17:00 (13:20より入室可)
■開催方法:Zoomによるオンライン開催
*演習につき、録画配信はありません。
■定員:30名(先着順)
■参加費:
HCD-Net正会員・賛助会員:10,000円
HCD-Net学生会員:5,000円
一般:20,000円
一般学生:10,000円
■プログラム:
・エキスパートレビューについて
・評価に使う場合の「JIS Z8520:インタラクションの原則」について
・エキスパートレビュー演習
個人ワーク
グループディスワーク
・質疑・振り返り
■参加条件・環境等について:
演習の中でグループディスカッションがあります。実名/ビジネスネームでの参加をお願いします。また、ディスカッションを円滑にすすめるため、なるべくマイクとカメラをONにできる環境からのアクセスをお願いします。
講義と演習にはオンラインツールのzoomとmiroを使います。利用できる環境からのアクセスをお願いします。(ブラウザでも動作しますが、アプリ導入をおすすめします)
グループディスカッションはランダムにブレイクアウトルーム割り当てを行います。他者を尊重し、積極的な参加・発言をお願いします。
ネットワークビジネス、マルチ商法、宗教による勧誘、政治的活動は禁止させていただいております。また、その他、ハラスメント等、他の参加者に迷惑をかけたり、不快にさせる行為は禁止いたします。
なにかお困りごとや問題と思えることがありましたら、速やかに運営者にお知らせください。(peatix「主催者へ連絡」、zoomイベント中は運営メンバー宛チャット等)
■講師:
伊藤 泰久氏(DN Technology & Innovation株式会社)
2000年より製品やサービスのユーザビリティ・UXの評価、企画および開発支援に携わる。研究領域では、事業や製品・サービスの社会的インパクトの評価にも取り組み中。
HCD-Netでは、初心者セミナーやエキスパートレビューのセミナー講師を歴任。
HCD-Net認定 人間中心設計専門家、日本評価学会認定
評価士、準認定ファンドレイザー。
三樹 弘之氏(沖コンサルティングソリューションズ株式会社)
CSCW(Computer Supported Cooperative
Work)、ユーザビリティ、UX、ユニバーサルデザインなどの研究やコンサルティングに従事。近年はイノベーションやサービスデザインに携わっている。博士(工学)、非常勤講師(成蹊大学・大学院)、HCII国際会議HIMI領域ボードメンバー、HCD-Net評議員、HCD-Net認定
人間中心設計専門家、ISOソフトウェア人間工学委員,情報処理学会GN研究会運営委員などで活動している。
■対象者:
・これからHCD専門家・HCDスペシャリストになりたい人
・すでにHCD専門家・HCDスペシャリストで、守備範囲を広げたい人・学び直しをしたい人
(HCDに関してある程度知識のある方が対象です)
■対象コンピタンス:
A1: 調査・評価設計能力
A13: 専門知識に基づく評価実施能力
人間中心設計(HCD)コンピタンスマップ 2020年版(HCD-Net)
https://docs.google.com/presentation/d/14bpSvjjrysqscG6p6qY29Q3fQ22KAuv9S1Kl1P2msmo/edit#slide=id.p1
■参考:
HCDライブラリー『人間中心設計の基礎』黒須、近代科学社、2013
HCDライブラリー『人間中心設計における評価』黒須他、近代科学社、2019
JIS Z8520:2008 人間工学ー人とシステムのインタラクション ―対話の原則