セミナー・サロン

毎年、好評をいただいている「2泊3日で学ぶ、写真KJ法ワークショップ」を今年も開催します。場所は北海道函館市です。

みなさんの会社でも新規事業の立ち上げが喫緊の課題になっているのではないでしょうか? その際、どうやってアイデアを発想されているでしょうか? 問題提起をし、ユーザー調査を行い、時間をかけて調査結果を分析したにも関わらず、改善レベルのアイデアしか出なかった…といったことはないでしょうか? 創造的な問題解決を行うには、川喜田二郎先生が考案されたKJ法を用いると良いと言われています。

川喜田二郎先生は、移動大学と名づけ長期間のキャンプ生活をしながらKJ法を学ぶ場を提供されていました。巷のワークショップで「よし、では、いまから30分で付箋をKJ法でまとめてください」などというシーンを見かけますが、あのようなものはKJ法ではありません。30分程度でできるのは単なる分類です。それでは、頭の中で既に出来上がっている枠に付箋を当てはめるだけになり、改善レベルのアイデア発想にとどまってしまいます。

創造的なアイデア発想には「異質のデータを統合する」能力が必要になります。付箋が語りかけてきてデータが統合されていく様(己をむなしくして データをして語らしめる)を感じるには、とことん時間をかけてデータと向かい合わなければなりません。それにより初めて本質が見えてくるのです。それを体系化したものがKJ法です。

本ワークショップでは、移動大学で川喜田二郎先生よりKJ法を学ばれ、川喜田二郎先生と一緒にKJ法の書籍も執筆されました北陸先端科学技術大学院大学 名誉教授 國藤進先生と、長年、國藤進先生よりKJ法を学んでいる人間中心設計推進機構 副理事長 水本により、写真KJ法(言葉の代わりに写真を用いることで言語化できないデータも取り扱う)のワークショップを行います。川喜田二郎先生の移動大学とまではいきませんが、2泊3日の合宿形式ですので、しっかりとデータと向き合い、本当のKJ法を学ぶことができます。

今回のテーマは「観光」です。観光とは「光」を「観」ると書きます。「光」とは、その街の文化や風俗、暮らし、自然などのこと。しかし、多くの観光都市は過去の「光」に頼っている部分が多いのではないでしょうか? 言わずと知れた観光都市 函館市はどうでしょうか?

新しい「光」を作り出すにはどうすればよいのか? 「地域をチカラに。地方創生の挑戦。」をコンセプトに函館で酒造りに取り組む、全国でも評判の北海道の酒造メーカー 上川大雪酒造「五稜乃蔵」様から話題提供いただき、日本酒を題材として、新しい「光」を生み出すには?を考えていきます。また、「道南に暮らす人々のまちづくり意識の醸成」を目的として設立された、特定非営利活動法人NPOサポートはこだて様からも話題提供いただきます。地元で長い間、地域のために活動してきた立場から、新しい「光」を生み出すには?を考えていきます。

本ワークショップでは、参加者が4,5名のグループに分かれ、リサーチクエスチョンをもとに探検計画を策定します。そしてフィールドワークを実施し、リサーチ結果を写真KJ法を用いて分析するという一連の流れを通じて、創造的問題解決能力を磨きます。函館市は、歴史のある港町で新鮮な海産物が楽しめるほか、世界的にも有名な夜景があり、洋風建築や温泉も魅力です。しかし、それは先人たちが生み出した「光」。函館というブランドに頼ってしまい、新しい取り組みが生まれないのではないか? 新しい「光」を生み出すにはどうすればいいのか? 市内を徒歩や路面電車で探検(フィールドワーク)し、そこで見たこと(撮影した写真)や聴いたこと(街の人の声)、感じたことから、いったいどんな本質が見えてくるのか。KJ法の神髄をご体験ください。

■日時:2024年7月10日(水) 14:00~7月12日(金) 15:00 (会場受付開始:7月10日 13:30 ~ )
※東京や大阪などの多くのエリアから移動を含めて3日間で参加可能です。

■会場:函館市地域交流まちづくりセンター
※アクセス:https://hakomachi.com/about/access/
※現地集合・現地解散となります。

■主催:特定非営利活動法人 人間中心設計推進機構 (HCD-Net) 関西支部

■協力:上川大雪酒造株式会社 五稜乃蔵、特定非営利活動法人NPOサポートはこだて

■定員:25名(先着順)

■参加費:HCD-Net正会員/賛助会員 28,000円、 一般 32,000円
※交通費、宿泊費、食費等は自身でご負担ください

■参加申込方法:下記よりお申込みをお願いします。
https://peatix.com/event/3935588/

■スケジュール:
7/10(水)
13:30~14:00 函館市地域交流まちづくりセンター 現地集合、参加者受付
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14:00~14:30 主催者挨拶・スケジュール説明・自己紹介
14:30~15:00 問題提起とフィールドワークのしかた(HCD-Net 水本氏)
15:00~15:30 地域の課題について
上川大雪酒造株式会社 五稜乃蔵 黒澤氏
函館市地域交流まちづくりセンター 仙石センター長「函館の概要と課題(仮)」
15:30~問題提起と探検計画立案(終了し次第、フィールドワークへ)

7/11(木)
朝~14:00   各チームフィールドワーク (14:00までに会場に到着し写真データを提出)
14:00~15:00 分析方法の説明(その間にスタッフにより写真を印刷)
15:00~    写真KJ法ワーク
夕方頃~   特別講演「渾沌をして語らしめるKJ法を中核とするW型問題解決学」(國藤進先生)

7/12(金) 
朝~13:30     写真KJ法ワーク&発表準備
13:30~15:00   発表とご講評(國藤先生、地元関係者)

※タイムテーブルは変更になる可能性があります(開始、終了時間の変更はありません)

■講師:
國藤 進氏
・北陸先端科学技術大学院大学 名誉教授
・1969年東工大制御工学科三年時に、川喜田二郎氏が創設した「黒姫移動大学」に参加。翌年開催の「伊良湖移動大学」には、リサーチグループとして参画。同時に川喜田二郎・牧島信一著「問題解決学 KJ法ワークブック」執筆の手伝いやKJ法トレーナーを歴任。
・東工大制御工学科修士卒後は、上記の本のご縁で、富士通㈱国際情報社会科学研究所(北川敏男所長)に入所。 滞在18年間の後半11年間は通産省の第五世代コンピュータ・プロジェクトに従事。ここでの活躍が認められ、1992年北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)情報科学研究科教授・情報科学センター長で転職。
・東工大で論文博士 博士(工学)。 専門はAI、知識ベースシステム、グループウェア、ミニ移動大学、知識創造論、イノベーションデザイン論。

水本 徹氏
・ゲームメーカーや医療機器メーカーなど幅広い業務分野で、人間中心設計やUXデザインを用いて顧客満足度の高い製品を開発した経験を活かし、現在は組織への人間中心設計プロセスやUXデザインの導入コンサルタントとして活躍中。人間中心設計やUXデザインに関する学会発表や講演も多数。
・和歌山大学 博士(工学)、人間中心設計推進機構 認定人間中心設計専門家、日本人間工学会 認定人間工学専門家、HCDベストプラクティスアウォード2016 最優秀賞。
・人間中心設計推進機構 副理事長/関西支部長、日本人間工学会 人間工学専門家認定機構幹事。

■対象HCDコンピタンス:
A1.調査・評価設計能力
A2.ユーザー調査実施能力
A3.定性・定量データの分析能力
A4.現状のモデル化能力
A5.ユーザー体験の構想・提案能力
A6.ユーザー要求仕様作成能力
A7.製品・事業の企画提案力

【注意事項】
■参加費とお支払い方法について
・参加費は、HCD-Net正会員/賛助会員28,000円、一般32,000円を見込んでおります。
・詳細調整中のため0円の申し込みチケットとしております。
・お支払いは銀行振込となります(クレジットカード払い不可)。
・申込者には、詳細決定後メールにてお支払い方法をお知らせします。7/1(月)までにお支払いください。

■領収書および請求書について  
・必要な方には領収証を発行いたします。
・請求書の発行はお受付いたしかねます。

■キャンセルについて :
・キャンセル前提のお申込みはご遠慮願います。
・お支払い後のキャンセルにつきましてはお受け出来かねますので、何卒ご理解いただきますようよろしくお願い申し上げます。  

■賛助会員の皆さまへ:    
・2名まで「HCD-Net賛助会員」種別にて参加可能です。
・予め2名様を社内にてご調整をお願いします。  

■その他:
・オンラインでの参加はできません。
・やむを得ず開催中止となる可能性もございますが、その場合は全額を返金いたします。


セミナー・サロンレポート ※研究発表会は「研究会」ページをご覧ください

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動画チャンネル

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HCD-Netで人間中心設計を学ぶ

HCD-Net(人間中心設計推進機構)は、日本で唯一のHCDに特化した団体です。HCDに関する様々な知識や方法を適切に提供し、多くの人々が便利に快適に暮らせる社会づくりに貢献することを目指します。

HCDに関する教育活動として、講演会、セミナー、ワークショップの開催、 HCDやユーザビリティの学習に適した教科書・参考書の刊行などを行っています。