セミナー・サロン


今年も関西支部主催の人間中心設計に関する終日イベント「HCD-Net関西フォーラム 2024」を開催します。2024年のテーマは「おもてなしと多様性のデザイン」です。

この夏盛り上がりを見せているパリオリンピック・パラリンピックから、来夏大阪で開かれる関西万博まで、多様な人々の活躍を見たり触れ合う機会が増えてきます。その盛り上がりから新しい視点や発想を得て、デザインを考える機会につなげたいと考えフォーラムを企画しました。

午前中には、対面参加型のインクルーシブデザインのワークショップを用意しました。午後には、対面とオンラインを併用した講演を3件用意しました。
多様性と心配り、外国人のおもてなしを考えるための日本の公共サインの課題、多様な人の経験をアイデアのヒントとするインクルーシブデザイン活動という、フォーラムの方も多様な内容になっています。ぜひ夏の終わりに関西にて一緒に学び気づきを得ましょう。

■日時:2024年9月29日(日)
午前の部 10:00~12:00(受付開始 9:45)
午後の部 13:00~17:30(受付開始 12:45)

■開催方法:
ワークショップ:対面のみ
講演会:対面およびオンライン

■会場:グランフロント大阪ナレッジサロン
(大阪市北区大深町3-1 グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル7F)

■プログラム:
午前の部:ワークショップ(対面のみ)
10:00~12:00 ワークショップ  
「観察と対話から生まれる、インクルーシブデザイン」
コクヨ株式会社 藤木武史氏

午後の部:講演(対面+オンライン配信)
13:05~14:20 講演①
「多様性と心くばり」
京都工芸繊維大学名誉教授/国際ユニヴァーサルデザイン協議会理事 久保雅義氏

14:30~15:45 講演②  
「日本の公共サインの課題~外国人のおもてなしを考えるために~」
聖心女子大学 現代教養学部 岩田一成氏

15:55~17:25 講演③(インクルーシブデザインカードの見学会もあり)
「多様な人の経験がアイデアのヒントになるインクルーシブデザインの活動」
デザインスタジオCULUMU 川合俊輔氏

18:00~19:30 交流会(会場にてケータリング)

■講演内容:
ワークショップ:『観察と対話から生まれる、インクルーシブデザイン』
コクヨ株式会社 藤木武史氏
インクルーシブデザインとは、障がい者、高齢者、外国人など今までサービスの対象とされなかった人々とプロセスの上流から観察、対話、創造を一緒に行うデザイン手法です。
今回はインクルーシブデザインの基本を学びながら、車椅子ユーザー(先天性多関節拘縮)と一緒に普段の生活を共有しながら「ちょっとした日常商品」を考えるワーショップを行います。

講演①:『多様性と心くばり』 
京都工芸繊維大学名誉教授/国際ユニヴァーサルデザイン協議会理事 久保雅義氏
1.グッドデザインと多様性-デザインの潮目が変わってきた-
2.ブランディングにおける心くばり-京都ブランド創生で感じたこと-
3.次代を拓くインクルーシィブデザイン-子供ユニバーサルデザインで得た智-
4.観光と心くばり-UT(ユニバーサルツーリズム)を仕掛ける-
5.経営資源としての心くばり-デザイン経営にみるデザインの価値-

講演②:『日本の公共サインの課題 ー外国人のおもてなしを考えるためにー』
聖心女子大学 現代教養学部日本語日本文学科教授 岩田一成氏 
インバウンドで来日する外国人は増加し続けているが、街の公共サインは外国人対応ができているのだろうか。公共サインには、地名の表示、場所の案内、特定の行為を禁止する注意喚起など各種の機能がある。その公共サインは、外国人を想定して、多言語表示(主に英語)、ピクトグラム、ローマ字、短縮表記などが使われている。一方、外国人の目から見て必ずしも親切ではない部分がある。日本人が作り出した勝手な外国人像に基づいているためだ。本発表では、データを基に外国人にとってわかりやすい公共サインのありかたを論じたい。具体的には、平仮名の重要性、多言語表示の課題、ローマ字やピクトグラムの正しい使い方などを紹介する。

講演③:『多様な人の経験がアイデアのヒントになるインクルーシブデザインの活動』
デザインスタジオCULUMU  川合俊輔氏 
私たちCULUMUは設立から3年間、多様な人々の視点を取り入れたデザインアプローチを追求してきました。4,000以上のNPO・NGOとのネットワークを活用し、社会課題と製品開発を両立させるソリューションを提供しています。高齢者、障がい者、外国人など、マイノリティを含む多様な声から、誰もが使いやすい革新的な製品やサービスを目指しています。
当初は小規模なプロジェクトから始まりましたが、現在では多くの企業や自治体と連携し、少しづつ大きな取り組みに成長しています。本講演では、インクルーシブデザインの重要性とその可能性について、具体的な事例を交えながらお話しします。皆様と共に、インクルーシブデザインの魅力を探求し、より良い社会を創造するための一歩を踏み出せれば幸いです。

■講師プロフィール:
藤木武史氏
1988年 コクヨ株式会社にデザイナーとして入社
2004年 コクヨファニチャー(株)取締役執行役員就任(開発担当)
2004年 国際ユニヴァーサルデザイン協議会協議会理事就任
2005年 コクヨオフィスシステム(株)取締役執行役員就任(新規事業担当)
2012年 武蔵野美術大学 客員研究員
2017年 コクヨ(株)ステーショナリー事業部デザインエキスパート就任
2018年 特別非営利活動法人インクルーシブデザインネットワーク専務理事
2020年 藤木デザイン事務所設立
2022年 コクヨインクルーシブデザイン推進マネージャーとして活動中

久保雅義氏
京都工芸繊維大学名誉教授/デザイナー/デザイン学、人間工学、地域研究、経営学
学会:日本デザイン学会名誉会員、日本人間工学関西幹事、日本福祉のまちづくり学会関西理事
職歴:松下電器(現Panasonic)にて海外向け商品開発や日本最初のUD製品開発に携わる。またパナソニックデザイン社創設や松下電器CIマニュアルの作成などにも携わる。松下電器産業株式会社を退社し、京都工芸繊維大学大学院教授としてデザイン・建築学系に属し、デザイン経営工学(学部・修士・博士)を担当する(後期課程主任指導員資格獲得)。
委員等:(財)国際デザイン交流協会企画委員、京都ブランド推進特別委員会委員、日本産業デザイン振興会Gマーク審査委員、(財)新日本様式協議会調査研究委員会副委員長、京都スマートプロダクツ委員、舞鶴市リーディング産業チャレンジ事業委員長などを歴任。
UD関連製品:①Gマーク部門賞UD賞 National“座シャワー”1996.10. ②Gマーク金賞Nationalシステムバス“ユニリッチ”2000.11. ③iF GOLD AWARD 錦城護謨(株)視覚障害者誘導マット「HODOUKUN Guideway」2016.2、その他、Gマーク多数記載略。

岩田一成氏
聖心女子大学 現代教養学部日本語日本文学科教授 
大学卒業後、日本語教師として青年海外協力隊に参加(中国内蒙古自治区派遣)。帰国後、大学院に入り(大阪大学言語文化研究科博士後期課程修了:言語文化学)、国際交流基金日本語国際センター、広島市立大学を経て、現職。専門分野は数量詞や指示詞など(談話レベルの日本語文法)。出入国在留管理庁、静岡県などで職員向け研修を実施し、外国人にもわかりやすい公用文作成の支援に関わる。『在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン』作成メンバーの一人。著書に『新しい公用文作成ガイドブック』『読み手に伝わる公用文: 〈やさしい日本語〉の視点から』。共著に『街の公共サインを点検する』『やさしい日本語で伝わる! 公務員のための外国人対応』『医療現場の外国人対応 英語だけじゃない「やさしい日本語」』ほか多数。

川合俊輔氏
株式会社STYZ Chief Design Officer
芝浦工業大学デザイン工学部卒。海外を拠点とするデザイン会社を経験した後、インクルーシブデザインスタジオ『CULUMU』を設立。多様なユーザー・生活者と共創するデザインプロジェクトをさまざまな業界・企業と取り組む。また、芝浦工業大学でUXデザイン演習等の非常勤講師を務め、人間工学をベースにユーザー中心のプロセス、デザイン評価手法、UXデザインの研究や教育に携わる。共著書に『ノンデザイナーでもわかる UX+理論で作るWebデザイン』(2017, マイナビ出版)、『ウェブ解析士認定試験公式テキスト2019』(2019, マイナビ出版)、訳書に『UX戦略を組織に取り入れるための戦略的アプローチ』(2017, 自己出版)、監訳書に『ウェブ・インクルーシブデザイン』(2023, マイナビ出版)などがある

■参加費:
ワークショップ(対面参加・HCD-Net賛助会員・正会員):2500円
ワークショップ(対面参加・一般):3000円
講演会(対面及びオンライン・HCD-Net賛助会員・正会員):3500円
講演会(対面及びオンライン・一般):4000円
ワークショップ+講演会(対面参加・HCD-Net賛助会員・正会員):6000円
ワークショップ+講演会(対面参加・一般):7000円
懇親会(会場にてケータリング):4400円

■参加申込方法:下記よりお申込みをお願いします。
https://peatix.com/event/4075779/

■注意事項:
(1)領収書および請求書について
・インボイス対応の領収書をご希望の場合は、申込フォーム上で領収書の宛名をご記入ください。イベント終了後1週間以内にメールにて送ります。
・Peatix発行の領収データについては、こちらをご参照ください(Peatix発行の領収書はインボイスに対応していません)。
http://help.peatix.com/customer/portal/articles/221024
・請求書の発行は、お受付いたしかねます。

(2)キャンセルについて
・キャンセル前提のお申込みはご遠慮願います。
・やむを得ずキャンセルが必要となった場合、2024年9月26日(木)12:00までにお申し出があったチケットはキャンセル手続きを承ります。それ以降のキャンセルにつきましてはお受け出来かねますので、何卒ご理解いただきますよう宜しくお願い申し上げます。
・キャンセル時の返金につきましては、こちらをご参照ください。
https://help-attendee.peatix.com/ja-JP/support/solutions/articles/44001822284

(3)賛助会員の皆さまへ
・2名まで「HCD-Net賛助会員」種別にて参加可能です。3名以降の方は「一般」種別となります。
・予め2名様を社内にてご調整をお願いします。3名を超えた場合は、再度お申し込み手続きを行っていただく場合がございますのでご了承をお願いいたします。

(4)PayPalをご利用される方へ
PayPalから支払い承認のメールが届いても、その段階ではまだお申込みが完了しておりません。PayPal決済画面でカード情報を登録後、注文確定画面に移動し、カナ名など必要項目に情報をご入力された上、確定ボタンを押して注文確定となります。ご注文が確定するとPeatixからご登録のメールアドレス宛に『お申込み詳細』のメールが自動配信されます。


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動画チャンネル

一部の講演は動画チャンネルで見ることができます。

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HCD-Net(人間中心設計推進機構)は、日本で唯一のHCDに特化した団体です。HCDに関する様々な知識や方法を適切に提供し、多くの人々が便利に快適に暮らせる社会づくりに貢献することを目指します。

HCDに関する教育活動として、講演会、セミナー、ワークショップの開催、 HCDやユーザビリティの学習に適した教科書・参考書の刊行などを行っています。