セミナー・サロン

2016年の関西支部の活動を締めくくるにふさわしいセミナーとなりました。
講師は日本のユーザビリティの父と言っても過言ではない、放送大学 黒須教授です。

ユーザビリティの向上に役立つ認知心理学ですが、昨今UXを声高に言うようになってもやはり認知心理学のみを学びの対象としてしまう状況があります。しかし、UXを考えるときに、それだけでいいのか? ユーザーの心と行動を考えるときに、もっと広く心理学の知識や知見が必要ではないのか? そんな投げかけをする攻撃的なセミナーでした。

ユーザビリティとUXの違い。設計品質のひとつであるユーザビリティと、利用品質の集約であるUX。客観的品質と主観的品質・・・・概念の整理に始まり、ユーザビリティに関連した心理学の知見、そしてUXに関連した心理学の知見。

500ページにも迫るスライド、心理学の常識が押し寄せ続ける怒涛の5時間でした。話し切った先生も凄いですが、聴き切った参加者も凄い。すばらしい学びの場となりました。

関西支部のイベントに参加いただいたみなさん、一年間ありがとうございました。 良いお年をお迎えください。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

イベント概要

 日本のユーザビリティ分野の第一人者である放送大学 黒須正明教授より、HCDやその礎石となる心理学について学ぶことができる機会を設けました。
 UCDやHCDではこれまで、ユーザビリティを向上するという観点から認知心理学が注目されてきましたが、UXが注目される中で、もっと深く人を知るための知識が必要となってきています。
「使いやすい」だけでなく「使ってみたい」という期待感や動機づけ、「使ってよかった」と感じることなど、人のうれしい体験を提供するには、認知心理学だけでは捉えられない多様な心理学的な側面が影響しています。
さらに、ユーザビリティだけでなく、信頼性や安全性、審美性等々の品質特性も、UXに強く影響を与えています。このセミナーでは、UXの概念構造を改めて定義し、HCDの分野ではこれまで説明されることが少なかった心理学の他の側面について、実習を交えながら学ぶことができます。
また、関西支部の交流会"HCD-Net Night"を開催いたします。黒須先生を囲み今年一年の振り返りと2017年の抱負を語り合いましょう。なお、HCD-Net Nightのみの参加も受け付けております。関西支部2016年最後のイベントです。ぜひお越しください。

■協力:ヤフー株式会社

■日時:2016年12月20日(火) 
セミナー:13:00〜18:00 (受付:12:30~13:00)
HCD-Net Night:18:30~20:30

■セミナー会場:ヤフー株式会社 大阪オフィス
大阪市北区小松原町2-4 大阪富国生命ビル 27階
http://www.fukoku-fs.jp/access.html

■HCD-Net Night会場:ビトレス お初天神店(TEL:06-6366-5519)
大阪府大阪市北区曽根崎2-10-15曽根崎センタービル 1F
https://tabelog.com/osaka/A2701/A270101/27049273/dtlmap/

■定員:
セミナー:40名
HCD-Net Night:20名

■参加費:
セミナー:正会員/賛助会員:5,000円 、一般:6,000円
学生会員:2000円、学生一般:2500円
HCD-Net Night: どなたも4,500円

プログラム

13:00-14:00 心理学の考え方と方法
14:00-14:20 演習
14:20-14:30 休憩
14:30-15:00 ユーザビリティとUXの概念整理
15:00-16:20 ユーザビリティに関連した心理学の知見
16:20-16:30 休憩
16:30-18:00 UXに関連した心理学の知見
18:30-20:30   HCD-Net Night

■コンピタンス:
本セミナーは、HCD専門家コンピタンスを広く学べる内容となります。
A1.調査・評価設計能力
A2.ユーザー調査実施能力
A3.定性・定量データの分析能力
A4.現状のモデル化能力
A5.ユーザー体験の構想・提案能力
A6.ユーザー要求仕様作成能力
A13.専門知識に基づく評価実施能力


セミナー・サロンレポート ※研究発表会は「研究会」ページをご覧ください

アーカイブ(すべてのセミナー・サロン開催概要)※研究発表会は「研究会」ページをご覧ください

動画チャンネル

一部の講演は動画チャンネルで見ることができます。

HCD-Netで人間中心設計を学ぶ

HCD-Net(人間中心設計推進機構)は、日本で唯一のHCDに特化した団体です。HCDに関する様々な知識や方法を適切に提供し、多くの人々が便利に快適に暮らせる社会づくりに貢献することを目指します。

HCDに関する教育活動として、講演会、セミナー、ワークショップの開催、 HCDやユーザビリティの学習に適した教科書・参考書の刊行などを行っています。