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イベント概要
イノベーションの重要性が随所で叫ばれている昨今においては、人々が潜在的にもつ課題を見つけ、新たな価値を提供することが求められています。そのためには、人の気持ちや行動をとらえること、優れた体験を提供することが必要です。「人間中心設計(HCD)」は人を優先したモノづくりを推進する活動であり、その適用領域は、機器やシステムの開発にとどまらず、ビジネスやサービスの企画に広がってきています。
HCD-Netは、活動開始から10年を過ぎ、より広く産業界に普及し、様々なビジネス領域からの期待に応えていくことが重要と考えています。そこで、今年度のHCD-Netフォーラムは、全体テーマを「HCDのビジネス連携、社会連携」としました。
基調講演には、ビジネス・エスノグラフィのパイオニアであり、東京大学i.school創設にご尽力された、株式会社リパブリックの代表、田村大氏をお招きし、「持続可能なエコシステムをデザインする(仮)」についてお話をうかがいます。また、これからのHCDに関し、各分野で活躍されている方々によるパネルディスカッションを行います。
2日目は、例年通り、パラレルセッションと研究発表会を行います。今年のパラレルセッションは、①聴講型セッション、②初学者向けのセミナーセッション、③参加型セッションの、3つのセッションで構成します。
①は、日頃HCD/UXDを実践されておられる方々を主体に、企業事例を学ぶ場となることを念頭においています。②は、人間中心設計の初学者の方々に参考となるような、講義中心のセッションを目指します。③は、「役立つHCDを考える~今の仕事・未来の成功~」という内容で、ワークショップを行います。
午後の研究発表会で、最新の取り組みについて、またHCDに関する様々な研究の成果を発表し議論する場を提供します。
このフォーラムを通して、さらなるHCDのあり方、優れたユーザー体験やサービスのあり方を皆さまと共に考えていきたいと思います。ふるってご参加くださいますようお願い申しあげます。
HCD-Netフォーラム2016 実行委員長 河野 泉
開催概要
■日時:2016年6月10日(金)~6月11日(土)
■場所:東海大学 高輪キャンパス(東京都港区高輪2-3-23)
http://www.u-tokai.ac.jp/about/campus/takanawa/
主催 | 特定非営利活動法人 人間中心設計推進機構 |
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後援 | 経済産業省 独立行政法人 情報処理推進機構 |
協賛 | 特定非営利活動法人 キッズデザイン協議会 一般社団法人 国際ユニヴァーサルデザイン協議会 サービス学会 Service Design Network 日本支部 公益社団法人 日本インダストリアルデザイナー協会 日本感性工学会 一般社団法人 日本人間工学会 一般社団法人 人間生活工学研究センター 定非営利活動法人 ヒューマンインタフェース学会 UX Tokyo |
プログラム概要
2016年6月10日(金)
13:00~13:05
開会挨拶
河野 泉氏(HCD-Netフォーラム2016実行委員長)
13:05~14:05
基調講演:「イノベーションを生み出し続ける『生態系』をデザインする」
田村 大氏(株式会社リ・パブリック 共同代表)
■略歴
博報堂イノベーションラボにてグローバル・デザインリサーチのプロジェクト等を開拓・推進した後、独立。人類学的視点から新たなビジネス機会を導く「ビジネス・エスノグラフィ」のパイオニアであり、現在は、福岡を世界に冠たるイノベーション都市に育て上げる取り組み「イノベーションスタジオ福岡」のディレクターとして、研究と実務の往復に力を注ぐ。株式会社リ・パブリック共同代表。その他、東京大学i.school共同創設者エグゼクティブ・フェローなど。
■基調講演の概要
自社の将来を考えるとき、「イノベーション」を考えない(考えなくていい)企業はもはや少数派であろう。「技術シーズ」からの応用。「ユーザニーズ」に基づく発想。いずれのアプローチもこの数年、多種多様な手法が入り乱れて、さながら百花繚乱の模様である。それでもなお、ある手法の採用と普及を通じてイノベーションが続々と生まれるようになった、という話を耳にしないのは何故であろうか。
「イノベーションは、イノベーターによって生み出される」という、ごくシンプルな前提に立ち返り、イノベーターという人材の特性を探求し、イノベーターがどのように生まれ、どのような環境で力を発揮するかを紐解く。こんな研究と実践を積み重ね、イノベーションが生み出し続けられる組織のデザインを実現する、さながら「イノベーションの建築家」=リ・パブリック共同代表であり東京大学i.school共同創設者エグゼクティブ・フェローの田村大氏に、イノベーションが続々と生み出される『生態系』についてお話しいただきます。
<ファシリテーター>
篠原 稔和氏(HCD-Netフォーラム2016 副実行委員長)
14:15~15:15
パネルディスカッション1「新しいビジネス領域(フィンテック)におけるHCD」
<ファシリテーター>
井登 友一氏(株式会社インフォバーン)
■パネルディスカッションの概要
テクノロジーの進化や規制緩和などの影響を受けて、昨今オンラインのみならず様々な領域で新しく、革新的なサービスが生まれています。IT技術を使って新たな金融サービス生み出す「フィンテック(fintech)」と呼ばれる領域は最も注目を浴びているものの一つですが、その中でも日本国内で大きな成長を遂げている2つのサービスがあります。それは、1つは個人向けにお金の管理を行うアプリを提供する「マネーツリー」と、中小事業者向けに会計まわりを支援する「会計ソフトfreee」。変化と進化の激しいフィンテックサービスにおいて”使ってもらえる”、”愛される”サービスをどのように発想・デザインすべきか?についてHCDの観点から両社のキーパーソンにお話を伺います。
<パネリスト>
1.関口 聡介氏(freee株式会社、UXディレクター)
■略歴
1974年生まれ。グラフィック/Webデザイナーを経て、テレビ局向け3DCG映像制作会社を10年に渡り経営。
その後、サン・マイクロシステムズ日本法人でWebマーケティングに関わる。2007年Googleへ。7年間に渡りWebディレクション業務に関わる。2014年2月、freeeに転職。
2.ポール チャップマン氏(マネーツリー株式会社、代表取締役、ファウンダー)
■略歴
1976年オーストラリア生まれ。日本の高校と埼玉大学で学び、15年のIT業界経歴と4年のスマートフォンアプリ業界における事業経験をもつ。
約10年間、日本でアントレプレナーとして活動し、2012年にマネーツリー株式会社の代表取締役に就任。
詳細:http://www.hcdnet.org/hcd/event/2016_4.html
15:25~16:30
パネルディスカッション2「イノベーションのためのマネジメントや組織(HCDやデザイン思考を活用して)」
<ファシリテーター>
小山 裕司氏(産業技術大学院大学 産業技術研究科 情報アーキテクチャ専攻 教授)
■パネルディスカッションの概要
課題先進国とされている現在の日本においては、HCDやデザイン思考による課題解決やイノベーションの実現が注目されています。
本パネルディスカッションでは、イノベーション、事業創造、新事業開発などをキーワードとして、各企業や大学での取り組みを紹介し、新たなビジネスの創出にHCDの観点をどう取り込んでいくかなどに関するディスカッションを行います。
<パネリスト>
1.岩佐 浩徳氏(リクルートテクノロジーズ、リクルートキャリア執行役員)
■略歴
多摩美術大学情報デザイン学科修了。1994年株式会社リクルート入社。R&D部門での10年後のリクルート作りを行い、任天堂との合弁会社のネットゲームプラットフォームを開発。IA,UXの全社横断組織に異動後、500サイト以上の立上げ、サイト改善に従事。大規模ビジネスサイトにおけるサイト設計スキームの社内メソッドの構築と全社社内育成、啓蒙を展開。サイト改善PDSフローの全社展開などサイトパフォーマンスの最適化に対するアプローチを推進。現在は、リクルートテクノロジーズ、リクルートキャリア執行役員。その他、SDN Japan Chapter発起人など。
■講話の趣旨
「企業文化をサービスデザインスタイル」をテーマに、リクルートの事業改革や組織づくり、および「人財育成」としての取り組みについて紹介し提言します。
2.小島 健嗣氏(富士フィルム株式会社 イノベーション戦略企画部 シニアエキスパート
Open Innovation Hub 館長)
■略歴
1986年富士フイルム(当時富士写真フイルム)入社。デザインセンターを経て2011年よりR&D統括本部 技術戦略部で技術広報 およびオープンイノベーションを担当。2015年より現職。
■講話の趣旨
社会課題を解決していく新たな価値創出を加速するためビジネスパートナーとの「共創」を「技術の体感」による「場づくり」を通じて実現していく技術提供型のコラボレーティブイノベーションの実践について話題提供します。
3.藤川 修氏(日本電気株式会社 事業イノベーション戦略本部、本部長)
■略歴
1988年 日本電気株式会社入社。2013年まで金融機関向けのICTソリューション事業部門にて海外での新事業立上げを含む営業、SE、企画を担当。2014年より現職(コーポレートの戦略投資、新事業開発、新事業開発の標準化・教育の設計/指導など)。
■講話の趣旨
NECでは前中期計画より社会ソリューション事業への注力を表明し、全社的に新規事業創出への取り組みを進めているが、自ら社会課題を探索し市場やお客様が求める解決策を探る、事業開発の上流フェーズ(Ideate)に課題があり、この2年間、これを乗り越えるためにさまざまな施策を打ち続けています。そのいくつかの事例を通じて、大企業でイノベーションを起こすことへの課題や対策など共有させて頂ければと考えています。
16:35~17:45
HCDベストプラクティスアワード2016表彰式
委員長挨拶 松原 幸行氏(HCD-Netアウォード表彰委員会委員長)
作品紹介
審査委員紹介
審査結果発表及び表彰状・トロフィー授与
講評
優秀作紹介(受賞者によるプレゼンテーション)
17:50〜18:10
「20分でわかる人間中心設計、「人間中心設計入門」書籍の紹介」
山崎 和彦氏(HCD-Net副理事長、千葉工業大学 教授)
18:20~20:00
交流会 (4号館 B1F 「コメドール」)
2016年6月11日(土)
10:00~12:00 パラレルセッション(4号館教室)
S1 ライトニングトーク・セッション「ビジネス、社会に貢献するHCD」
<ファシリテーター>
山崎 和彦氏(HCD-Net副理事長、千葉工業大学 教授)、長谷川 敦士氏(HCD-Net副理事長、コンセント 代表取締役)
<モデレーター>
坂田 一倫氏(株式会社リクルートテクノロジーズ)
<概要>
HCDは、UXデザインの標準プロセスとして、製品やサービスのUXの向上などに活用されるようになり、また最近ではコミュニティの活性化などにも適用されています。本セッションでは、こうしたさまざまな分野でのHCD活動の事例をライトニングトーク(ショートプレゼンテーション)の形で参加者同士が共有し、それにもとづいてこれからのHCDのあり方についてディスカッションを行います。
<スピーカー>
■「チャットボットのUX」
福田 基輔氏(株式会社リクルートジョブズ)
■「地域課題特定のためのエコロジーマップ活用事例 〜ヒトを中心にした課題特定プロセス〜」
川原田 大地氏(株式会社コンセント)
■「サービスドミナントロジックからソーシャルドミナントロジックへ」
小山田 那由他氏(株式会社コンセント)
■「タイトル未定」
西村 洋氏(トーマツ ベンチャーサポート株式会社)
■「タイトル未定」
丸谷 真美氏(株式会社東芝)
■「タイトル未定」
前田 俊幸氏(UX TOKYO/ビービット)
■「UX初心者のUXを考える」
三瓶 亮氏(株式会社マイナースタジオ)
■「HCDの実践と教育」
安齋 利典氏(札幌市立大学)
■「タイトル未定」
辻村 和正氏(株式会社インフォバーン)
■「NPS®とHCDを組み合わせた顧客体験調査分析の取り組み」
佐藤 哲氏(株式会社アイ・エム・ジェイ)
■「仮説から考える〜ウェブサイトリニューアルの事例〜」
佐々木 将之氏(ギルドワークス株式会社)
■「Online Travel AgentでのUXデザイン」
和田 あずみ氏(株式会社DeNAトラベル)
ディスカッション
S2 初学者向けセッション「HCDの基本:ユーザーを知る」
<ファシリテーター>
浅野 智氏(HCD-Net理事、株式会社経験デザイン研究所 代表取締役)
<概要>
近年HCDプロセスは様々な研究や実践が行われ、次々と新しい手法が開発されてきています。
但し、初学者は最も基本となる「ユーザーを知る」ところから始めないと、開発の扇の要から狂ってしまい、まったく見当違いな問題発見・ソリューションの提案へと進む可能性があります。
今回は、新進気鋭の研究者・実践者にご登壇頂き、HCDの基本である認知科学からのアプローチによるユーザー理解の知見を深めます。
<パネリスト>
HCDの基本:ユーザーを知る
1.「初学者のための認知心理学(仮)」
南部 美砂子氏 (公立はこだて未来大学)
2.「認知科学の現場での実践と応用(仮)」
奥泉 直子氏(フリーランス)
ディスカッション
グラフィックレコーディング:安武 伸朗氏(常葉大学 教授)
S3 ワークショップ・セッション「役立つHCDを考える ―今の仕事・未来の成功―」
<総合ファシリテーター>
篠原 稔和氏(HCD-Net理事、ソシオメディア株式会社 代表取締役)
<概要>
HCDの知識とその実践は、さまざまな分野で求められ、重要視される傾向が強まってきています。
そのような中、HCDは私たちのキャリアプランにおいても、今後大きな役割を担うことになるに違いありません。
そこで今回、グループごとのワークショップを通じて、
・HCDは現在の業務にどんなメリットをもたらすのか?
・HCDは将来のキャリアにどのような影響力をもつのか?
・私たちのキャリアプランに対してHCD-Netはどう応えるのか?
について、業界や業種、現在の役割などを超え、皆さんのケースや夢を持ち寄ることで明らかにしてみませんか。
HCDを身につけて発展させることで、将来なりたい自らの姿がどのようなものになるのか、を未来志向で描いていく時間を目指して参ります。
<グループ・ファシリテーター>
佐藤 秀太氏(株式会社日立製作所)
中村 耕治氏(株式会社デンソー)
佐藤 公一氏(カシオ計算機株式会社)
山岸ひとみ氏(株式会社Gaji-Labo)
伊藤 泰久氏(オムロン パーソネル株式会社)
脇坂 善則氏(株式会社楽天)
尾形 慎哉氏(株式会社グラグリッド)
羽山 祥樹氏
岩田 直子氏(日本電気株式会社)
水原 孝氏(日本電気株式会社)
13:00~17:00
春季HCD研究発表会 (4号館教室)
一般発表、口頭発表、ポスター発表
※研究発表会のプログラムは、下記URLをご確認ください。
http://www.hcdnet.org/hcd/event/2016_3.html
・プログラムの内容は一部変更されることがあります
・HCD-Netフォーラム2016開催に先立ち、6月10日にHCD-Netの評議員会、総会が開催されます。詳細は別途お知らせいたします。
10:30~11:20 HCD-Net評議員会 (2号館 1F ホール(大講義室))
11:30~12:00 HCD-Net総会 (2号館 1F ホール(大講義室))
参加費用
①基調講演・パネルディスカッション
正会員/協賛団体会員 5,000円・一般 7,000円
学生会員 1,000円・一般学生 2,000円
②講習会
正会員/協賛団体会員 3,000円・一般 5,000円
学生会員 1,000円・一般学生 2,000円
③研究発表会
正会員/協賛団体会員 2,000円・一般 3,000円
学生会員 無料・一般学生 1,000円
④交流会:一律 4,000円
⑤二日間通し参加:(下記の金額に懇親会費も含まれます)
正会員/協賛団体会員 11,000円・一般 16,000円
学生会員 5,000円・一般学生 9,000円
■参加申込期限:2016年6月3日(金)
※定員に達した場合は申込期限より早く締め切らせて頂きます。
■参加申込:受付は終了しました。
※不測の事態や事故等によりプログラムが変更される場合があります。予めご了承ください。